介護のお役立ちコラム
高齢者のケアを一手に引き受け、安心の生活を24時間体制で約束する老人ホーム。本格的な高齢化社会を迎えた日本では、全国各地で介護を必要とする高齢者の受け皿が整備されつつあります。
そんな老人ホームですが、初めて入居を考えている家族にとって
「どのような手順で施設を探せばよいのか?」
「よい施設の見分け方がわからない」
「実際の入居までどれくらい時間がかかるの?」
などさまざまな疑問や不安が浮かび上がってくることだと思います。
今回は、有料老人ホーム入居までの手順を段階ごとにご紹介します。
次に、家族として考慮すべきことは、入居する本人の健康状況、要介護度、認知症の有無などです。健康状況については、定期的にどういった病気で通院しているのか、過去の既往歴などが重要になります。
有料老人ホームには必ず提携している医療機関があるため、病気を患っている高齢者でも受け入れてくれるホームは多数あります。しかし、病状が深刻になり長期の入院が必要になった場合、老人ホームへ支払う費用(家賃)と入院費・医療費のダブル出費となるため、結局は解約するというケースも考えられます。入居開始から3か月以降の解約となれば入居一時金は返却されません。そればかりか、あまりに重度の医療依存となった場合、退去を迫られる可能性もあります。
特に介護付きでない有料老人ホーム(居住型または健康型)、サービス付き高齢者向け住宅などでは、病状に応じて退去が必要になるガイドラインがあるため、契約時に必ず確認しておく必要があります。
近年は医療サービスの充実を売りにしている老人ホームもありますが、処置できる病気の内容はその施設によって異なるので、こちらも契約時にその施設がどういった処置やケアに対応しているのかを必ず確認するようにしてください。
認知症の有無に関しては、現在、認知症があるからという理由で入居を拒む有料老人ホームは少なくなりましたが、大声で騒ぐ、物を壊す、ほかの入居者や職員に暴力を振るうといった過激な行動や言動が見られる高齢者の場合、やはり安全の観点から入居後でも退去を強いられる可能性もあります。
定期的に訪問したり、有事の際にすぐに駆けつけたりできるよう、自宅から通いやすい場所にある施設を選ぶことも重要です。ただでさえ生活環境がガラリと変わるので、あまり自宅から離れすぎてしまうと、高齢者は環境に不安を覚えてしまったり、情緒不安定になり、認知症が悪化することも考えられます。
予算や立地条件は家族にとっての都合が占める割合が高くなりますが、入居する本人が余計なストレスを感じず、楽しく安心して暮らしていけるような環境を考えることが大切です。
例えば、園芸が好きな人だったら、広々とした庭がありそこで花を眺めることや簡単な農作業ができるような施設を選ぶとか、食べることが好きなグルメな人であれば食事に力を入れている施設を選ぶなど、本人の性格や嗜好を十分考慮した上で選ぶことを忘れないでください。
本格的に入居したい施設が見つかった場合、見学会に参加するようにしましょう。パンフレットやホームページだけでよい施設か見極めるには無理があります。代表的な以下のポイントに注目してチェックするようにしましょう。
◎老人ホームの見学でチェックしておきたい10のポイント
もし、見学会だけでは判断が難しい場合、体験入居を受け付けている老人ホームも多くあります。介護サービスやレクリエーション、そして食事の内容を実体験できるため、気に入った施設が見つかった場合、可能なかぎり体験入居をしましょう。
自立の状態で老人ホームに入居するご自身が選ぶことができればもっとも良いのですが、ご家族が主導となって選ぶ場合は、体験入居をして本人の感想を必ず聞きましょう。実際に住む本人が合わない施設で過ごすのだけは避けるようにしましょう。
◎老人ホームや施設の入居を嫌がる......双方が納得した入居をするためには?
↓
②必要書類の準備・提出
↓
③面談、入居審査
↓
④本契約・入居
申込み時に必要となる書類は、
が必須で、残りは各施設によって異なります。戸籍謄本、印鑑証明、保証人・身元引受人の身分を証明できるもの、顔写真などがあります。
病気で通院している人は、過去の病歴がわかる書類、服薬している薬の説明書、診察券などが必要になります。これら必要書類は、申込み時に何が必要なのか説明があります。後の面談の日までにそろえることができれば問題ありませんが、戸籍を現住所に移していない高齢者の場合、謄本の取得に時間と手間がかかることがあるため要注意です。
続く入居審査では、提出された健康診断書などをもとに審査を行います。面談では施設の担当者と家族・本人が接見します。ここで重要な疾患があるとわかった場合、また入居者本人が周囲との共同生活が難しいと判断された場合、審査に落とされる可能性もあります。
ここまでクリアできたなら、次はいよいよ本契約となります。本契約の際に、事業者側から「重要事項説明書」に関する口頭での説明があります。この重要事項説明書は、そのホームで提供されるサービスや入居条件などについてまとめたものになります。STEP.1で触れた退去を迫られるケースについても、具体的にどういった行動が見られるか、病気や認知症の進行がどのレベルにまで達したら退去となるのかなども記載されています。
その中でも、もっとも重要になるのが金銭に関する内容です。入居一時金と毎月の費用、プラスで発生するオプション費用などについてもその金額が記されています。途中解約となった場合の償却金の設定についても記載があります。どの程度の入居一時金が戻ってくるのかはその施設によって規定が大きく異なります。金銭面のトラブル回避のためにも契約内容をきちんと確認しておくようにすること。そして疑問点がある場合、事業者に納得のいくまで説明を求めるようにしましょう。またお願いすれば見学時に重要事項説明書を見せてくれる施設もあります。気になる場合は、重要事項説明書を見せてもらうのがよいでしょう。
重要事項説明書の内容に同意し判を押したあと、次はいよいよ入居です。入居までに入居一時金と初月の費用(家賃、光熱費)の入金が必要になるので、振り込みを済ませておきましょう。
◎経験者100人に聞いた老人ホームの選び方と注意点
◎老人ホームの見学でチェックしておきたい10のポイント
◎老人ホームの費用が払えない!とお困りのあなたへ。老人ホームの費用を抑える6つの方法
そんな老人ホームですが、初めて入居を考えている家族にとって
「どのような手順で施設を探せばよいのか?」
「よい施設の見分け方がわからない」
「実際の入居までどれくらい時間がかかるの?」
などさまざまな疑問や不安が浮かび上がってくることだと思います。
今回は、有料老人ホーム入居までの手順を段階ごとにご紹介します。
STEP.1 本人の健康状態、要介護状態などを考えて施設を絞り込む
老人ホームへの入居を必要とする高齢者の場合、これまでにいくつかの介護サービスを受けてきたと思います。当然、担当する介護支援専門員(ケアマネジャー)がいるはずなので、まずはケアマネジャーに相談するところから始めましょう。次に、家族として考慮すべきことは、入居する本人の健康状況、要介護度、認知症の有無などです。健康状況については、定期的にどういった病気で通院しているのか、過去の既往歴などが重要になります。
有料老人ホームには必ず提携している医療機関があるため、病気を患っている高齢者でも受け入れてくれるホームは多数あります。しかし、病状が深刻になり長期の入院が必要になった場合、老人ホームへ支払う費用(家賃)と入院費・医療費のダブル出費となるため、結局は解約するというケースも考えられます。入居開始から3か月以降の解約となれば入居一時金は返却されません。そればかりか、あまりに重度の医療依存となった場合、退去を迫られる可能性もあります。
特に介護付きでない有料老人ホーム(居住型または健康型)、サービス付き高齢者向け住宅などでは、病状に応じて退去が必要になるガイドラインがあるため、契約時に必ず確認しておく必要があります。
近年は医療サービスの充実を売りにしている老人ホームもありますが、処置できる病気の内容はその施設によって異なるので、こちらも契約時にその施設がどういった処置やケアに対応しているのかを必ず確認するようにしてください。
認知症の有無に関しては、現在、認知症があるからという理由で入居を拒む有料老人ホームは少なくなりましたが、大声で騒ぐ、物を壊す、ほかの入居者や職員に暴力を振るうといった過激な行動や言動が見られる高齢者の場合、やはり安全の観点から入居後でも退去を強いられる可能性もあります。
STEP.2 予算、立地条件、具体的なサービス内容を考慮し絞り込む
STEP.1と同時並行で考えなくてはいけないのが、予算や施設の場所といった条件面です。医療法人や社会福祉法人でないと設立ができない特別養護老人ホーム(特養)とは異なり、有料老人ホームは株式会社の参入が認められているため、より多くの候補の中から施設を選ぶことができます。価格帯にも幅が出てくるため、入居一時金として支払える予算と、月々に支払える予算を考えた上で施設を絞り込むようにしましょう。定期的に訪問したり、有事の際にすぐに駆けつけたりできるよう、自宅から通いやすい場所にある施設を選ぶことも重要です。ただでさえ生活環境がガラリと変わるので、あまり自宅から離れすぎてしまうと、高齢者は環境に不安を覚えてしまったり、情緒不安定になり、認知症が悪化することも考えられます。
予算や立地条件は家族にとっての都合が占める割合が高くなりますが、入居する本人が余計なストレスを感じず、楽しく安心して暮らしていけるような環境を考えることが大切です。
例えば、園芸が好きな人だったら、広々とした庭がありそこで花を眺めることや簡単な農作業ができるような施設を選ぶとか、食べることが好きなグルメな人であれば食事に力を入れている施設を選ぶなど、本人の性格や嗜好を十分考慮した上で選ぶことを忘れないでください。
STEP.3 見学と体験入居
条件面がある程度整ったら、老人ホーム選びもいくつかの候補に絞られてくることでしょう。大手が運営する有料老人ホームの場合、公式ホームページでサービスの内容や施設の雰囲気を確認することもできますし、資料請求(パンフレットなど)も可能です。ケアマネジャーに頼んで資料をそろえてもらうのもよいでしょう。本格的に入居したい施設が見つかった場合、見学会に参加するようにしましょう。パンフレットやホームページだけでよい施設か見極めるには無理があります。代表的な以下のポイントに注目してチェックするようにしましょう。
◎老人ホームの見学でチェックしておきたい10のポイント
もし、見学会だけでは判断が難しい場合、体験入居を受け付けている老人ホームも多くあります。介護サービスやレクリエーション、そして食事の内容を実体験できるため、気に入った施設が見つかった場合、可能なかぎり体験入居をしましょう。
自立の状態で老人ホームに入居するご自身が選ぶことができればもっとも良いのですが、ご家族が主導となって選ぶ場合は、体験入居をして本人の感想を必ず聞きましょう。実際に住む本人が合わない施設で過ごすのだけは避けるようにしましょう。
◎老人ホームや施設の入居を嫌がる......双方が納得した入居をするためには?
STEP.4 申込みから入居まで
家族・本人ともに納得のいく老人ホームが見つかった場合、申込みから入居までの流れは以下のとおりです。提出する書類の準備期間によって変わってきますが、申込みから入居までの期間はおおよそ1か月程度と考えてよいでしょう。また、最初の申込みの時点では正式な契約とはならないため、本契約前であれば後のキャンセルも可能です。【入居までの流れ】
①申込み↓
②必要書類の準備・提出
↓
③面談、入居審査
↓
④本契約・入居
申込み時に必要となる書類は、
- ①利用申込書
- ②健康診断書
- ③各種保険証(健康保険証、介護保険被保険者証など)
- ④印鑑
が必須で、残りは各施設によって異なります。戸籍謄本、印鑑証明、保証人・身元引受人の身分を証明できるもの、顔写真などがあります。
病気で通院している人は、過去の病歴がわかる書類、服薬している薬の説明書、診察券などが必要になります。これら必要書類は、申込み時に何が必要なのか説明があります。後の面談の日までにそろえることができれば問題ありませんが、戸籍を現住所に移していない高齢者の場合、謄本の取得に時間と手間がかかることがあるため要注意です。
続く入居審査では、提出された健康診断書などをもとに審査を行います。面談では施設の担当者と家族・本人が接見します。ここで重要な疾患があるとわかった場合、また入居者本人が周囲との共同生活が難しいと判断された場合、審査に落とされる可能性もあります。
ここまでクリアできたなら、次はいよいよ本契約となります。本契約の際に、事業者側から「重要事項説明書」に関する口頭での説明があります。この重要事項説明書は、そのホームで提供されるサービスや入居条件などについてまとめたものになります。STEP.1で触れた退去を迫られるケースについても、具体的にどういった行動が見られるか、病気や認知症の進行がどのレベルにまで達したら退去となるのかなども記載されています。
その中でも、もっとも重要になるのが金銭に関する内容です。入居一時金と毎月の費用、プラスで発生するオプション費用などについてもその金額が記されています。途中解約となった場合の償却金の設定についても記載があります。どの程度の入居一時金が戻ってくるのかはその施設によって規定が大きく異なります。金銭面のトラブル回避のためにも契約内容をきちんと確認しておくようにすること。そして疑問点がある場合、事業者に納得のいくまで説明を求めるようにしましょう。またお願いすれば見学時に重要事項説明書を見せてくれる施設もあります。気になる場合は、重要事項説明書を見せてもらうのがよいでしょう。
重要事項説明書の内容に同意し判を押したあと、次はいよいよ入居です。入居までに入居一時金と初月の費用(家賃、光熱費)の入金が必要になるので、振り込みを済ませておきましょう。
終わりに
よい老人ホームとの出会いは、タイミングも重要になります。なかなか理想の施設にめぐり合えず、つい決断を急いでしまうかもしれませんが、実際にそこで生活するのは家族ではなく入居する高齢者本人です。老人ホーム選びを急ぐあまり、肝心の入居者の希望が無視されないよう気を配りましょう。こちらの記事もチェック!
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◎老人ホームの見学でチェックしておきたい10のポイント
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