介護のお役立ちコラム
一口に「老人ホーム」といっても、様々な種類の施設があったり、似た名称の施設があったりと、比較検討する際にその違いがわかりづらく、迷ってしまうことがあるかと思います。こちらの記事では、特に名称が似ている「介護老人福祉施設」と「介護老人保健施設」の違いについて詳しく解説していきます。
介護老人福祉施設とは
「介護老人福祉施設」は、社会福祉法人や地方自治体が運営する要介護高齢者のための公的な施設で「特別養護老人ホーム」とも呼ばれています。
入浴、排泄、食事等の介護や、機能訓練、健康管理および療養上の世話を行っており、定員が29名以下の施設は「地域密着型介護老人福祉施設」と呼ばれます。
利用対象者は、常に介護が必要な状態で自宅での介護が困難な原則65歳以上の要介護3〜5の認定を受けた方で、寝たきりなど重度の方、緊急性の高い方の入居が優先されます。そのため、入居までに数カ月、長い場合では10年近くかかり、待機者数は約40万人と言われています。
費用感の目安は月額5~15万円ほどで、公的な施設のため比較的安く利用できますが、相部屋になるケースが多く、医療サービスも限定されている場合があります。
介護老人保健施設との違いは?
「介護老人保健施設」(老健)は、病院での入院治療を終えた高齢者の方が、リハビリによって家庭復帰することを目的とした施設となります。
利用対象者は、原則65歳以上の要介護1〜5の認定を受けた方で、約3カ月~6カ月の一定期間での退去が前提となっています。そのため、比較的入居しやすいのが特徴です。施設によっては、病状が安定しており入院の必要がないことや、感染症にかかっていないことなどが入居条件に加えられていることもあります。
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費用感の目安は月額10〜20万円ほどで、入居者ごとにケアプランが設定されており、リハビリのほか、入浴、排泄、食事などの介護サービス、医師・看護師による医療ケアが受けられます。
「介護老人福祉施設」と「介護老人保健施設」の違いをまとめると下記の通りになります。
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
【利用対象者】
65歳以上、要介護3〜5の認定を受けた方
【サービス内容】
日常生活の身体介護
【費用感の目安】
月額5~15万円ほど
【入居期間】
終身利用可能
【入居のしやすさ】
数カ月以上待つ場合あり
介護老人保健施設
【利用対象者】
65歳以上、要介護1〜5の認定を受けた方
【サービス内容】
リハビリ、身体介護、医療ケア
【費用感の目安】
月額10〜20万円ほど
【入居期間】
約3カ月~6カ月まで
【入居のしやすさ】
比較的しやすい
在籍する職員の違いも判断基準に
両施設には上記のような特徴のほか、在籍する職員にも違いがあります。
介護老人福祉施設では、看護職員3名以上の配置が基本となっており、入居者3人に対して1人以上の介護職員を配置しています。こちらでは医師の常駐は義務付けられていません。
一方で、介護老人保健施設は、入居者100名に対して常勤医師1名、看護職員9名、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士のいずれか1人、介護職員25人、ケアマネジャー(介護支援専門員)1人の配置が義務付けられています。
入居を検討する際には、以上のような両施設のメリット・デメリットも判断基準に入れながら最適な施設を選択するとよいでしょう。
最後に
今回特徴を解説した両施設のほかにも、民間の有料老人ホームなど、介護を必要とする高齢者それぞれのライフスタイルに即した老人ホームも多岐にわたり存在しています。入居先を選ぶ際には、それらの施設の違いをしっかりと把握したうえで比較検討を行いましょう。
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