介護のお役立ちコラム
これから有料老人ホームへの入居を考えている方、もしくは親御さんの入居を考えている方にとって、有料老人ホームの選び方は気になるもの。特に最近では様々な種類の施設があり、探し方に迷っているという方も多いのではないでしょうか。
今回は、さがしっくす主催の「老人ホーム・高齢者向け住宅選び方セミナー」のレポートをお送りします。登壇者は、相談員の相原裕介氏です。ぜひ施設選びの参考にしてください。
有料老人ホームは3種類ある
老人ホームと聞くと、「自由がない」「病院のような雰囲気」「暗い」といった印象を持つ方が多いのではないでしょうか? しかしながら、最近の有料老人ホームはそのようなイメージと異なります。
相原氏によれば、有料老人ホームには3種類あり、入居者本人の体の状態や必要なケアの内容によって選ぶ必要があります。
介護付き有料老人ホーム
食事介助、入浴介助などの介護サービスが受けられる有料老人ホームのことです。施設の中にいるスタッフが直接介護サービスを提供します。自立している方から要介護5の方まで入居可能です。介護付き有料老人ホームの特徴やメリット、デメリットに関しては、以下の記事で説明していますのであわせてご覧ください。
介護付き有料老人ホームには「自立型」「混合型」「介護専用型」の3つのタイプがあります。自立型は要介護度が「自立」の方、混合型は「自立」の方も「要支援」「要介護」の方も入居できます。介護専用型は「要介護」以上の方が対象です。そのため、施設を探す際にはこの条件に注意しながら比較検討しましょう。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、生活支援のサービスが付いた高齢者向けの施設です。介護が必要となった時は、外部の介護サービス事業者と別途契約をして在宅介護保険サービスを利用できます。介護付き有料老人ホームとの違いについては、以下の記事で詳しく説明しています。
「介護付き」と「住宅型」の有料老人ホームとは?どちらを選ぶ?
必要になった時だけ介護サービスを使うため、必要に応じて介護サービスを使い分けることができます。例えば、行き慣れたデイサービスに引き続き通いたいという方におすすめです。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームとは、主に民間事業者によって運営され、家事手伝い等のサポートを受けながら、高齢者が自立した生活を送ることのできる施設です。介護の必要の無い方が対象となるため、介護が必要になったら退去しなければなりません。
特に「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」については価格に差があります。都心部に近くなればなるほど、施設内の設備が充実すればするほど、価格帯は高くなるのです。また、職員体制や食事などのサービス面も関係してくるでしょう。
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)との違い
サ高住とは、介護不要な高齢者、もしくは要介護度の低い高齢者のための介護施設のことを言います。サービスの付いた介護施設ですが、注意すべきなのは、ここでいうサービスというのは「安否確認」と「生活相談」を指していることです。介護や食事提供などについては別途外部サービスと契約する必要があります。
有料老人ホームの場合は、月額の利用料の中に食事代30日3食すべて食べた場合の費用が含まれていますが、サ高住に関しては食事代が含まれていない費用が掲示されている物件が多く、注意が必要です。
サ高住は比較的健康な方が入居されるということで、部屋が比較的広く作られています。お風呂やキッチンがあるなど、自分で身の回りのことができる人が対象と言えます。
ただ、お体の変化によってはご入居の継続が難しくなる場合があります。必ずしも建物の中にスタッフが配置されているとは限らず、物件によってサービスに差が出ているので注意が必要です。中には管理人さんが日中入り口にいるだけという施設もあり、何か起きた際に対応できないという可能性もあります。そのため、介護が必要なお体になった場合に対応がしきれなくなる場合も考えられ、サ高住を選ぶ場合には慎重に選んで頂ければと思います。
最近ではサ高住の事業者も差別化を図ってきており、1階に医療機関や調剤薬局などが入った施設もあります。ですので、複数候補を挙げて比較検討をしてください。
施設選びのポイント
施設選びのポイントのチェックポイントをまとめます。
1.優先順位
施設には様々なタイプのものがあり、すべて希望通りのものが見つかるのは難しいです。そのため、入居されるご本人にとって何が一番良いのかというのを考え、優先順位を立てましょう。
2.目に見えるもの
お部屋、共用スペース、設備面、建物の部分などがこちらに該当します。また、施設が作っているパンフレットに注目すると良いです。パンフレットを見れば、事業主の力の入れ込みようがわかります。
3.目に見えないもの
施設で受けられるサービスやスタッフさん、どのような形で入居者とのコミュニケーションを取っているかなどもチェックします。明るくハキハキと対応してくれるスタッフさんがいる施設を探しましょう。
4.お金
入居時の費用と月額の利用料(家賃、管理費、食事代、介護保険の自己負担分など)、その他必要費用(おむつ代、消耗品、通院した際の医療費など)などがこれに該当します。入居される方の年齢や状態によって選ぶのが良いでしょう。
5.タイミング
入居したいと思っても、すぐに入居できないという場合も多いです。希望に沿うような施設を見つけたら、その機会を逃さないようにして頂ければと思います。
まずは見学に行きましょう
施設の評価は人それぞれ。希望に近い施設があれば、見学に行きましょう。施設見学の際に注意して見ておくべきポイントは以下の通りです。
館内が整理整頓されているかどうか
まずは館内の様子を隅々までチェックしましょう。特にお風呂やトイレなど、水回り周辺を見ます。水回りが綺麗になっている施設はスタッフの気配りが行き届いている証拠です。
見学時間は昼食前後か午後に
見学時間は昼食時間帯の前後か、午後に行いましょう。昼食時間帯に訪問すると、施設によっては昼食を食べることもできます。また、午後の時間帯はレクリエーションの時間帯なので、入居者がどんな活動をしているのかわかります。
施設長と話してみる
施設長と話すことも重要です。施設長の人柄から、施設の雰囲気がわかることがあります。もし見学時に施設長が在籍している場合は、ぜひ話しかけてみてください。
実際の介護事業主も登壇し解説
当日は株式会社ベネッセスタイルケアの村上様から、「老人ホームの取り組み事例」について説明がありました。
本人が納得して有料老人ホームに入ってもらいたいというのが本音ではありますが、それが叶うのはわずか15%だそうです(残りの85%はご家族による意向)。同社としては、本人が納得した上での入居の割合を増やしていきたいと話していました。
大切なのは、入居者様が生き生きと過ごされることです。そのためにも、施設で過ごすことの不安を安心に変えていく必要があるとのことでした。
情報を集めて希望に沿う施設を
有料老人ホームを探す方法はたくさんあります。インターネットのほか、役所や地域包括支援センター、事業主に問い合わせるといった方法もあるので、ぜひ各々の窓口に確認してみてください。その上で施設を比較検討するのが良いと思われます。この記事が、有料老人ホームを探す上での一助となれば幸いです。
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