介護のお役立ちコラム
最終更新日:2018年10月31日
近い将来、介護が必要になった場合に備えて、介護サービスを受けられる環境下での暮らしを望む人が増えてきています。そのような中、比較的リーズナブルな価格で、介護サービスを受けながら暮らせる「サービス付き高齢者向け住宅(通称:サ高住(さこうじゅう)」が高い注目を集めています。
何となく名前だけは聞いたことがあるという方も多いとは思いますが、「"サービス"の内容は何なのか?」「費用はいくらなのか?」「有料老人ホームとの違いは?」など詳細を知っている方は多くはないかもしれません。
今回は、サービス付き高齢者向け住宅について、費用や入居方法などについてご説明します 。新たな住まいとしてサ高住を選ぶメリットやデメリットをもとに、理想の居住形態を見つけてください。
サービス付き高齢者向け住宅の概要
そもそも「サ高住」とは、どのような住宅なのでしょうか?
建物の外観は、一般的な有料老人ホームと何ら変わりないものですが、あくまで「施設ではなく住宅」のため、入居者が建物の一室を間借りし家賃を払う形態はマンションやアパートと同じものです。
しかし、高齢者の入居を前提としていることから、建物の設備や入居基準が高齢者向けに配慮されたものになっています。
【サ高住の特徴】
- ◎マンション型の住宅で、建物全体がバリアフリー構造になっている
- ◎入居者の安全確認や生活相談を担うスタッフが常駐している
- ◎一般的に、入居可能な年齢は60歳以上から
- ◎一般的な賃貸住宅と同様に、外出制限がない
- ◎夫婦や友人同士で同居可能な住宅もある
- ◎多くの住宅では、入居者同士が交流するための談話室や食堂が設けられている
- ◎居室内にキッチンと浴室がある「住宅型」と、キッチンと浴室がない「施設型」に分けられる
サ高住には、入居者の安全確認や生活相談を担うスタッフが常駐しているものの、基本的に介護職員は配置されていません。 この点が介護スタッフの配置が義務になる介護付き有料老人ホームとの一番の違いです。一部、厚生労働省の「特定施設入居者生活介護」の指定を受け、介護付き有料老人ホームと同様に24時間体制で介護スタッフが常駐しているサ高住もありますが、まだまだ数は多くありません。
自立に近い、元気な状態なら悠々自適に暮らせるサ高住
サ高住は比較的新しい業態のため、建物のほとんどが新築または築浅というのも特徴です。居室は基本ワンルームタイプですが、「住宅型」の場合、法令で各部屋の床面積は25㎡以上と決められています。
また多くの建物では、入居者同士で交流を図れる、食事やお茶ができるような談話室(共用スペース)が設けられています。水回りが共用スペースにあり、ほかの居住者と合同で食事をとり、順番で入浴する「施設型」のサ高住に関しては、各居室内の床面積の最低基準は18㎡となっています。
住宅である以上、基本的に外出制限はありません。この点は自宅で暮らしているときと同じように規則に縛られず自由に暮らせる大きなメリットです。一方で有料老人ホームでは、事前に施設のスタッフに断りが必要になります。
老後に不安を感じている方は、将来的に介護サービスの利用も視野に入れて、施設やサービスを探していることでしょう。介護サービスを利用したい場合、建物の管理・運営を行っている事業者自体に介護サービスを提供する義務はないため、介護サービスを受ける際は外部の業者を利用することになります。訪問介護ステーションを併設し住居とセットで介護サービスを提供している事業者も多く存在するため、そういったサ高住を選べば、引っ越し後、新たにサービス提供事業者を探す手間も省けそうです。
バリアフリーが約束されていることもあり、車いすでの出入りなど外部の介護サービスはスムーズに利用できます。しかし自立か自立に近い状態の高齢者の受け入れを想定していることから、寝たきりや重度の認知症になるなど同じ場所での介護が難しくなった場合、退去を迫られることもあります。「長く住み続ける」という意味では、手厚いケアが受けられる有料老人ホームの方が安心と言えるかもしれません。
住宅型有料老人ホームと同等の月額料金。プラス敷金の発生も
サ高住に入居する際は、賃貸住宅の家賃にあたる「月額利用料」と「敷金」が必要です。月額利用料は15〜20万円ほどで、この中には家賃、共益費、水道光熱費、食費などが含まれます。このあたりは、介護サービスの提供がない住宅型有料老人ホームとほぼ同等の金額と言えます。もちろん月額利用料は設備・サービスのグレードや立地条件によって異なります。食費についても、居室内にキッチンがあり普段から自炊ができる高齢者については発生しません。
敷金については、およそ月額利用料の2〜3ヶ月分が必要です(施設や地域によって差があります)。有料老人ホームでは敷金(名目上は「入居一時金」など)を徴収しない事業者が増えてきていますが、サ高住の場合、賃貸住宅である以上、退去した後の原状回復費用などが発生するため、入居時に発生する費用も予算に入れて考える必要があります。
まとめ
サ高住は福祉・介護以外の法人(株式会社など)が運営していることが多く、各事業者とも特色を強く打ち出していることもあり、ホームページなどの情報からでもおおよそ自分に合ったサ高住に見つけることができるでしょう。全国各地でその数を増やしていることから、住み慣れた街で暮らすにしても、自然環境のよい場所へ引っ越して暮らすにしてもフレキシブルな選択が可能です。
新しい空間で受ける刺激や、落ち着いた生活など、サ高住に求めるものは人ぞれぞれだと思います。しかし、安心して過ごせる環境がなければ、求めるものも手に入りづらくなってしまいます。 スタッフをはじめ、頼りにできる人間が近くにいるサ高住は、老後の住み替えの不安を減らせる選択肢のひとつ。サ高住を活用することも視野に入れ、楽しいセカンドライフを手に入れてください。
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