介護のお役立ちコラム

老人ホームの食事メニューを紹介!食にこだわる老人ホームを探すためのポイントは?|老人ホームのコラム

老人ホームの食事メニューを紹介!食にこだわる老人ホームを探すためのポイントは?|老人ホームのコラム

更新日:2022.03.08

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近年、特色あるサービスで利用者を楽しませる施設が増えてきています。外出や人との交流が制限されるコロナ禍ではとくに、食事にこだわる施設や食に楽しみを求める利用者が多くなっているようです。実際に、食事の充実度は、QOL(生活の質)の向上に大きく関わります。今回の記事では、実際に老人ホームで提供されるメニューの紹介とともに、「食にこだわる老人ホーム選び」について解説します。

食にこだわる老人ホームの食事メニュー

まずは、実際に食への意識が高い老人ホームでは、どのような食事が提供されているのか見ていきましょう。

ウイーザス荻窪/介護付き有料老人ホーム

東京都杉並区にあるこちらの施設では、自社厨房で作ったこだわりの料理を提供しています。下記の写真は、見た目も華やかで上品に仕上げられた「白身魚のあんかけ御膳」です。

一流料理店での経験をもつシェフをはじめ、和洋中をそれぞれ専門とする調理師が揃い、栄養士とともに多岐にわたるメニューを考案しています。食事は常食だけでなく、介護食や治療食も対応可能です。

また、レストランのような広々としたダイニングスペースも好評です。キッチンと食堂がカウンターを隔ててつながっており、調理師が入居者の様子を確認できたり、利用者が活気あふれる空間を楽しみながら食事できるという魅力があります。

そして夏の納涼会やクリスマスには、とっておきの豪華なオードブルも登場。パーティの雰囲気と共に楽しめるのです。

「ウイーザス荻窪」の施設紹介ページはこちら

私の時間/介護付き有料老人ホーム

東京都板橋区にある社会福祉法人運営の「私の時間」は、グループホームや保育所を併設している特徴的な施設。厨房で作られる料理には、食べやすさや彩り、見た目、器などへのこだわりが光ります。自家菜園で採れた旬の野菜を使うことで、おいしく食べる喜びだけでなく、育てる楽しさも提供しているそうです。

夕食は毎日2種類から選べるスタイル。食事時間には2時間の幅を設け、誰とどこで食事をしてもOKと、自由度が高いのも魅力です。

もちろん、こちらの施設もさまざまな食事形態、治療食、療養食に対応。咀嚼や嚥下能力が落ちても、日々の食事を楽しめる工夫がなされています。

イベント食にも対応しており、時期に合わせておせちやオードブルがふるまわれることも。それも仰々しく実施するのではなく、一般家庭の季節行事をイメージした飾りつけや雰囲気作りに努めているそうです。

「私の時間」の施設紹介ページはこちら

さて、具体的にどのようなメニューが提供されているか、2つの施設を例に見ていきました。次は、「食」という視点から施設選びのポイントを解説します。

食への意識が高い老人ホームを選ぶ際のポイント

それでは、食への意識が高い老人ホーム選びのために、どのような点を入居前に確認すれば良いのかポイントを見てみましょう。

介護食や治療食への対応が可能か

体力的な衰えや健康状態を理由に、今まで食べていたものが自由に食べられなくなる可能性も考えられます。食に関わる入居者の体の状態について、老人ホームのケアマネジャーや入居相談員などがしっかりとアセスメント(課題解決と評価・評定・査定)できているかどうかは、施設を選ぶ際の重要なポイントです。

たとえば、嚥下機能の衰退によって、高齢者は固形物を喉に詰まらせてしまうことがあります。そのため、介護食では、咀嚼や嚥下の際に負担がかからないよう、以下のような状態にして食事を提供します。

  • ・刻み食...食べやすいよう小さく切り分けたもの
  • ・ミキサー食...ミキサーにかけて液体に近い状態にしたもの
  • ・とろみ食...片栗粉などでとろみをつけたもの
  • ・ソフト食...舌や歯茎でつぶせるくらいにやわらかく調理したもの
  • ・水分補給食...液体をゼリー状にして飲みやすくしたもの

利用者が、健康上の問題などで医師から食事に関する何らかの制限を受けている場合、その人に合わせた食品の使用や食事形態、分量を厳守しなくてはなりません。治療や病気の経過を良くするために治療食が提供されることもあります。

一般的に介護施設では、利用者の名前と一緒に食事の内容や注意点を記した「食札(しょくさつ)」が用意されています。食事介助にあたる介護士や調理師に対しても食札に関する共通認識があり徹底されているかを見学時などに見ておきましょう。

また、介護食が丁寧に作られているかどうかも確認しておきたいところです。液状やペースト状態にしたものを可能な限り常食(通常の食事)に近い見た目にできるかどうかは、調理師の腕の見せどころ。高齢者の食欲にも大きく影響を与えるでしょう。

料理の品数が多く、彩りがあるか

現在の高齢者の多くは、主食・主菜・副菜といった献立を重視してきた世代です。そのため、複数の食材品目が用意されているかも確認しましょう。彩りや盛り付けの美しさも食欲に関わる重要なポイントです。

料理の温度への配慮がなされているか

誰しも温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに食べたいものです。多くの老人ホームでは同じ建物内に厨房を構えているため、迅速な料理の提供が可能となります。この場合、食堂と厨房が隣接していれば、料理の香りを楽しみつつ、活気を感じながら食事の時間を過ごせるでしょう。

一方、外部の配食サービスを利用している施設もあるため、入居を考えている施設がどちらのスタイルをとっているかは確認しておきましょう。

外部の配食サービスを利用している場合は、保温保冷機能つきの配膳車を使用するなどの努力が見られるかどうかがポイントになります。いずれの場合も、調理や食事介助に関わる職員が食事に対して高い意識をもち、細かい気配りを行っているかは見ておきたいポイントです。

旬を意識した生の食材を使用しているか

多くの食材には、ご存じの通り「旬」があります。

旬の食材を使用した料理が提供されているかも、食にこだわるなら確認したいポイント。食によって季節を感じることで、味覚を含めた五感が刺激され、高齢者の生きる喜びにつながるでしょう。

また、冷凍ではなく生の食材を使用している施設では、食に手間やコストをかけているため、こだわりが強いことがわかるでしょう。とくに食物繊維の含む野菜は冷凍するとシャキシャキ感が失われることで、味が劣る可能性がぬぐえません。こうした食材へのこだわりは、積極的に質問して確認しましょう。

食器へのこだわりが見られるか

料理の見た目と同時に、盛り付ける器も食欲を左右する大きなポイントです。現在、衛生面や安全性などを理由に、プラスチック製の食器を利用している施設が多くあります。一方で、陶器などこだわりの器を使用している有料老人ホームも少なくありません。

個別ニーズへの対応

介護付き有料老人ホームの場合は、衛生上の理由から食べ物の持ち込みや出前は原則禁止されています。刺身など生魚の提供も基本的にはありません。ただし、誕生日などの特別な日、看取り段階に入った場合などに特例として、持ち込みなど好きな食べ物が許される場合があります。

また、食堂で食べるのが一般的な施設の場合、大勢で食べるのに抵抗感がある方に配慮して、居室への配膳や1人席を設けているケースも見られます。

こうしたルールは施設によって異なるため、事前に確認しておくとのちのち相談しやすいでしょう。

イベント食・セレクト食があるか

季節のイベントに関連した食事の有無も確認しておきましょう。たとえば、お正月にはおせち料理や雑煮、ひな祭りにはちらし寿司、十五夜に合わせた月見団子、クリスマスのチキン料理などです。なかには、入居者の出身地にちなんだ郷土料理を提供する施設もあります。

施設によっては、複数のメニューから食事を選べる「セレクト食」を用意しています。ただし、人によってはメニューを選ぶのが面倒になってしまうといったデメリットもあるようです。

おやつなど間食の充実度

1日3回の食事のほか、おやつの時間を楽しみにしている高齢者も多いでしょう。間食は気分転換になり、水分補給や軽い栄養補給になるメリットもあります。おやつにもどのような種類があるか、事前に聞いておくと良いでしょう。

献立や食事内容に関する情報発信はあるか

食事の内容に関する情報発信がなされているかも確認してみましょう。献立やイベント食の情報発信があると、日々の食事がより楽しみになります。入居前の施設見学がある場合は、チェックしてみると良いでしょう。施設のホームページやSNS、会報誌などに食事内容や食事に関するエピソード・感想が紹介されていることもあります。

施設の食事提供に関する情報は、施設のパンフレットや公式ホームページでもある程度確認できます。それらを確認したうえで不明点がある場合は、施設の担当者に問い合わせるようにしましょう。

食費は月にどれくらいかかる?

食費については、一般的な老人ホームであれば、おおむね月額5~6万円(税別)ほどです。1日3食で計算すると、1食あたり600~650円になります。食費が月額利用料に含まれているかどうかは施設によって異なるため、事前に確認しましょう。

また、おやつ費用(レクリエーションで発生したものを含む)は別途実費負担となるケースが多いようです。

詳細な料金体系は月額固定や食べた分のみ支払うなど施設によって異なるため、入居時に確認しておく必要があります。

QOL向上のためには食への意識が高い施設選びが大事

長引くコロナ禍で食に対するマインドシェアが高まっていることもあり、今後、介護事業における食に関わるサービスの拡充が進むことも考えられます。こうした業界の動きを注視しながら、QOL向上を実現できる施設探しをしてみてはいかがでしょうか。

▼参考資料:あいらいふ156号内特集『食に対する意識の高い老人ホームの見極め方』

介護情報誌 あいらいふ

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