介護のお役立ちコラム
【最終更新日:2019年2月8日】
在宅介護と同様に介護保険サービスとして広く利用されているのが、デイサービスです。主に「日帰りの介護サービス」を指します。中でも、認知症の方がいきいきと過ごせるための「認知症対応型通所介護」は、超高齢化社会においてニーズが高いサービスと言えます。
この記事では、この認知症対応型通所介護について説明していきます。
認知症対応型通所介護(認知デイサービス)とは
認知症対応型通所介護(認知デイサービス)とは、認知症の高齢者が、デイサービスセンターなどに通い、入浴・食事・機能訓練などを受けるサービスのことです。自宅から施設までの送迎も行います。
認知症対応型通所介護は、「地域密着型サービス」に分けられます。超高齢社会の到来によって、今後高齢者のみの単身者・世帯が増加することが見込まれます。要介護状態となっても、高齢者が今までどおりの地域でサービスを受けながら生活ができるよう、2006年に介護保険法が改正され、この「地域密着型サービス」が新設されました。
一般のデイサービスとの違い
認知症対応型デイサービスが普通のデイサービスと異なるのは、定員が12名以下とされている点と、認知症についての理解が深い職員がサポートに当たっている点です。介護サービスは、入浴や食事、レクリエーションがメインですが、専門的なスタッフがアットホームな雰囲気で利用者一人ひとりにあった対応をするため、普通のデイサービスには馴染めなかった人も、次第に打ち解けられるようになると言います。
認知症の方はデイサービスを嫌がることがある
しかしながら、認知症の方がデイサービスを拒否するケースが多々あります。
認知症の方が自分で身の回りのことができなくなったからといって、必ずしも自尊心が失われるわけではありません。デイサービスでのレクリエーションをばかばかしく感じたり、自分には身の回りのサポートは必要ないと思ってしまうこともあります。
そこで大事になるのは、まずは家族の声掛けです。「みんなお父さん(お母さん)のことを待っているよ」というように、その人が周りに必要とされているということを伝えてあげましょう。また、どうしても嫌がる場合は施設の環境や周りの利用者とご本人が合っていないというケースも考えられます。
その場合、ケアマネジャーと相談しながら、入浴介助や送迎の職員の変更を申し出たり、苦手としている利用者とは別グループにしてもらったりする必要があるでしょう。あるいは、大勢の利用者がいる施設の雰囲気自体が嫌な場合、施設の変更をすることも考える必要があります。そんなときにひとつ視野に入れて欲しいのが、「認知症対応型デイサービス」なのです。
利用条件や利用者負担は?
認知症対応型通所介護の利用条件は、大きく3つがあります。
- ・要支援もしくは要介護認定を受けている
- ・医師から認知症の診断を受けている
- ・住んでいる市区町村の事業所であること
次に利用者負担について説明します。
サービス費用の設定 | 利用者負担(1割) (1回につき) |
|
社会福祉施設等に併設されていない事業所の場合 (7時間以上8時間未満) |
要支援1 | 852円 |
要支援2 | 952円 |
サービス費用の設定 | 利用者負担(1割) (1回につき) |
|
社会福祉施設等に併設されていない事業所の場合 (7時間以上8時間未満) |
要介護1 | 985円 |
要介護2 | 1,092円 | |
要介護3 | 1,199円 | |
要介護4 | 1,307円 | |
要介護5 | 1,414円 |
<厚生労働省「認知症対応型通所介護」をもとにグラフを作成>
費用に関しては、要支援・要介護度、各事業所の形態や所要時間によって設定されています。また日常生活費(食事やおむつ代など)などは、別途負担が必要になります。
デイサービスとデイケアの違い
参考までに、混同されがちなデイケアとデイサービスの違いについて説明します。
デイケア
デイケア(通所リハビリテーション)は、利用者が老人保健施設や診療所に通い、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)らの指導のもと、リハビリテーションを行うことを指します。日常生活に必要な機能を改善することが目的です。具体的には、以下のような動作を改善するためのリハビリテーションを行います。
- ・立つ・歩くなど運動機能の訓練(理学療法)
- ・温熱療法・マッサージ(理学療法)
- ・掃除や着替え、食事の訓練(作業療法)
- ・発声・発語の訓練(言語聴覚療法)
- ・嚥下(飲み込み)機能の向上(言語聴覚療法)
デイサービス
デイサービスは介護保険で利用することのできるサービスの一つで、介護保険上は「通所介護」「介護予防通所介護」と呼ばれます。利用者の気分転換や身体機能維持、家族の介護負担の軽減などを目的とした、日帰りの介護サービスです。介護サービスの必要度を示す要介護度で「要支援1」以上の方が利用できます。デイサービスは、デイケアと比較して、より日常生活の介助という点に力を入れていて、具体的には、以下のようなことをデイサービスでは行います。
- ・体操や口腔体操
- ・創作などのレクリエーション
- ・入浴、食事
- ・他の利用者やスタッフとのコミュニケーション
デイケアとデイサービスの違いについて簡単にまとめると、デイケアは専門家がいるリハビリで医療寄りのサービス、デイサービスは日常生活の充足が目的の介護寄りのサービスと言えるでしょう。
おわりに
在宅介護でずっと家にこもっていては認知症の方も家族も気分がふさがり、うつにつながってしまうかもしれません。認知症対応型通所介護を有効に活用して、地域とのつながりを育みましょう。
関連記事
◎重度の認知症でも通所OK! 「認知症対応型デイサービス」の強み
◎「要介護2」ならデイサービスは週何回?要介護度(1~5)別の利用サービスまとめ
コロナ禍でも
面会できる施設特集
老人ホーム・高齢者住宅
運営事業者の方へ
老人ホーム検索サイト「さがしっくす」では、事業者様のご入居募集のニーズに合わせて、2つのご掲載プランからお選びいただけます。