介護のお役立ちコラム

介護用のオムツを交換するときに知っておくべき手順と心構え|介護のコラム

介護用のオムツを交換するときに知っておくべき手順と心構え|介護のコラム

更新日:2016.08.04

高齢化社会に突入して久しい日本では、介護用のオムツが必要な高齢者が増えてきており、現在では新生児用の紙オムツよりも、大人用の紙オムツの売り上げが上回っていると言います。 しかし、認知症の方や体が不自由な高齢者を自宅で介護している家族の中には、高齢者のオムツを替えるということに抵抗を感じている人も少なくないはずです。 交換の手順がわからなかったり、高齢者に嫌がられて拒否されたりするという悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。今回は、自宅での介護において役に立つオムツ交換の基礎知識、手順や注意すべきポイントをご紹介します。

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オムツ交換をするときの心構え

オムツ交換をするには、やはり心理的な抵抗があると思います。しかし、オムツ交換を怠ってしまうと、悪臭やかゆみ、かぶれなどの問題が起きてしまいます。 特に臭いに関しては、高齢者だけの問題ではなく、一緒に過ごしている家族が嫌な思いをしてしまうので、こまめにおこなうことが大切です。初めは抵抗を感じていても徐々に慣れ、嫌悪感も少しずつ薄れてくるでしょう。 また、認知症でオムツをつけている方は、今つけているオムツはいつ取り替えたのか自分でもわからず、それどころか家の中の悪臭に関しては全く気にしていないという場合があります。そのような方は、家族の介護を嫌がり、オムツ交換にも応じません。 認知症患者が増加している現在は、このような高齢者は少なくありません。オムツ交換は、介護者にとって抵抗があり正直嫌なことかもしれませんが、それは介護される高齢者も同じです。嫌な表情をできる限り表に出さず、手短にオムツ交換を終えることができれば、お互いの負担を少なく済ませることができるでしょう。

オムツ交換に必要な道具

オムツ交換で清潔を保持するために下記のリストの道具は最低限用意しておきましょう。

■使い捨て介護用エプロン
■使い捨てプラスチックグローブ
■陰部洗浄用のお湯と石鹸(石鹸は泡で出てくるタイプのものだと使いやすい)
■清潔な布あるいはティッシュ
■新しいオムツ・尿とりパッド

泡石鹸は、陰部を清潔に保つために必要です。使い捨てのエプロンやグローブをおすすめするのは、オムツ交換の際の汚れが付いてしまうと次に使用ができないためです。清潔に保つことと、衛生面の配慮からできるだけ使い捨てのものを身につけましょう。 また、使用済みのオムツや使い終わったエプロン、グローブを速やかに処分するため、袋などを用意しておくことも必要です。

オムツ交換の手順

オムツ交換の時間は、高齢者にとっても介護者にとってもあまり良い気がしないため、手際よく短時間で終わらせましょう。そのためには、以下のような手順で行うといいでしょう。

8-2

まずは声かけをおこなって、オムツ交換の同意をもらいましょう。応じてもらえない場合でも、決して怒鳴ったり厳しい口調で無理強いしたりしないようにしてください。

8-3

肌の露出は必要最低限にして、高齢者の気持ちに配慮しましょう。ADL(日常生活動作)を低下させないためにも、衣服の着脱は、高齢者自らができる場合は本人にやってもらうとよいでしょう。

8-4

排尿・排便の確認だけではなく、褥瘡(床ずれ)ができていないか、皮膚の状態をチェックしましょう。皮膚の状態を確認し終えたら、左右どちらかに体位変換をしてもらいますが、自身でベッドの柵をつかむことができるようであれば、しっかりとつかんでもらいましょう。 古い尿とりパッドを外し、新しい尿とりパッドを敷いて仰向けの姿勢に戻します。排尿・排便があった場合は、汚れたパッド、オムツを速やかに片づけましょう。また、仰向けのまま自身で腰だけを上げることができる場合は、無理に体位変換をせずに、腰を上げてもらった方が容易に交換ができます。

床ずれ防止グッズについてはこちら 床ずれ防止に役立つ介護用品10選

8-5

陰部の洗浄には、用意していたお湯を使いますが、まずは介護者が温度を確認して、そのあとで本人にお湯の温度が熱すぎないか確認をとります。 陰部の洗い方は、まずはお湯で、次に泡石鹸で洗い、最後にお湯で流します。声かけをして配慮することを忘れないようにしましょう。そのとき、さりげなく皮膚の状態も確認して褥瘡(床ずれ)ができていないかを見ておきましょう。

8-6

新しい尿とりパッドを敷いたら高齢者を仰向けの状態にして、パッドが肌に密着するように調整してオムツを閉じます。漏れないように、下側の2つのテープはそのまま横に、上側の2つのテープはやや下に向けて、貼り付けるといいでしょう。 最後にズボンを上げてから、高齢者へお礼を言って終了となります。なぜなら、高齢者も嫌だと感じながら、オムツ交換を受けているからです。「オムツ交換させてくれてありがとう」という感謝の気持ちをきちんと伝えましょう。

終わりに

以上が、自宅での介護において役に立つ、オムツ交換の手順や注意すべきポイントです。 オムツ交換は難しいもので、慣れるまで大変ですが、決して怒ったり怒鳴ったりしてはいけません。オムツ交換中は、介護者が積極的に声をかけて配慮をすること、オムツ交換が終わった後は介護者の方から高齢者にお礼を言うことなど、思いやりが必要なのです。

 

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