介護のお役立ちコラム
「人生100年時代」と言われている昨今では、70歳を超えて働くことを想定している人も少なくありません。そのために必要不可欠な要素として、「健康寿命」を延ばすことへの関心が年々高まっています。
今回は、健康寿命について詳しく解説をしていくとともに、健康寿命を延ばすためにできる具体的な取り組みについて紹介していきます。
健康寿命とは
健康寿命とは、「心身ともに自立し、健康的に生活できる期間」のことを指します。2000年にWHO(世界保健機関)が提唱して以来、「寿命を延ばす」という従来の指標に加え、「健康でいられる期間を延ばす」という健康寿命の指標が重要視されるようになりました。
健康寿命と平均寿命の違い
健康寿命とよく比較されるのが「平均寿命」です。平均寿命とは、0歳のときに何歳まで生きられるかを統計的に予測した平均余命のこと。前述した健康寿命との違いは、日常生活に制限のある"健康ではない期間"となります。
厚生労働省が2018年に発表した資料によると、男性の平均寿命は80.21歳、健康寿命は71.19歳となっており、約9年の開きがあることがわかります。さらに、女性の平均寿命は86.61歳、健康寿命は74.21歳と男性以上に大きな差が生じています。
日本人の平均寿命の数値は年々延伸傾向にあるものの、高齢者が人生の最後まで自立した生活を送れるという理想的な長寿社会の実現には課題も多いようです。
健康寿命を延ばすための取り組み
日本では2011年から「健康寿命をのばしましょう。」をスローガンに、国民全体が人生の最後まで元気に健康で楽しく毎日が送れることを目標とした「スマート・ライフ・プロジェクト」という取り組みを推進しています。
本プロジェクトでは、運動・食生活・禁煙の3分野を中心に、具体的なアクションの呼びかけを行っています。
1. 適度な運動
生活習慣病の予防には男性で9000歩、女性で8000歩が目安といわれています。例えば、いつものエレベーター移動を階段にしてみるなど、普段の生活パターンを変えてみるだけでも結果は変わってきます。
また、苦しくならない程度にスピードをあげて早歩きをするのも生活習慣病の予防に効果があります。
2. 適度な食生活
日本人は1日平均で約280gの野菜を摂っています。しかし、生活習慣病予防のためには1日あたり350gの野菜が必要なのです。
例えば、トマトなら半個、野菜炒めなら半皿分を食べれば残りの70gを摂取することができます。生野菜が苦手という方は、スープなどの温野菜にすることで食べやすくなります。
3. 禁煙
タバコには4000種類にも及ぶ有害物質が含まれています。もちろん微量ではありますが、その煙を体内に吸い込んでいることに違いはありません。
タバコを吸うことは健康を損なうだけでなく、肌の美しさや若々しさを失うことにも繋がります。タバコをやめて健康寿命を延ばしましょう。
社会参加も健康長寿の秘訣
高齢者の健康維持のためには上記のような生活習慣の見直しのほか、他者との相互関係を伴う活動も重要です。
内閣府では、年齢にとらわれることなく自らの責任と能力において自由で生き生きとした生活を送ろうという高齢者の生活様式を「エイジレス・ライフ」と呼び推奨しています。
例えば、経済を維持するための就労活動をはじめ、地域のボランティア活動や、学習などの自己啓発活動に勤しむのもよいでしょう。積極的な社会参加は新しい友人を得るきっかけや生活の充実感を与えてくれるほか、介護予防としても有効です。
昨今では、地域の高齢者が集い、介護予防に向けたプログラムを実践する「通いの場」の普及も進んでいます。
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最後に
心身ともに自立し、健康的に生活をするためには日々の意識的なセルフケアが必要不可欠です。今回紹介した運動・食生活・禁煙などの身近な生活習慣は具体的な目標を立てて行動すると改善しやすくなります。
また、各地域でも健康寿命を延ばすための様々な取り組みが実施されているので、調べて参加するのもよいでしょう。長く生きることを前提に、今できることを考えて行動することが将来の健康につながるのです。
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