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高齢者を襲う

高齢者を襲う"秋バテ"に注意! 夏が過ぎても油断は禁物!|介護のコラム

更新日:2018.09.26

【最終更新日:2022/09/08】

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お盆を過ぎ、ようやく暑さが和らいできましたが、高齢者と一緒に暮らす家庭にとってはまだまだ油断できません。

エアコンの効いた部屋に長時間いて、冷たい食べ物や飲み物を摂取しながら暑さをしのいできた方が大半だと思いますが、秋口になっても倦怠感や食欲不振がつづくケースが多くなってきています。

秋になっても、そのような体調不良がつづいているのは、「秋バテ」かもしれません。 今回は、「秋バテ」について、その原因と対策について説明します。

夏バテとはどう違う? 回復に時間がかかる高齢者の秋バテには要注意

秋バテとは、真夏の生活習慣により、自律神経などが乱れ、食欲不振や倦怠感などの不調が秋までつづくことです。

自律神経が乱れる主な原因は、猛暑がつづくなかで冷たいものを多く摂取したり、冷房に長時間あたりすぎたことによって、内臓や身体が冷えることと考えられています。

夏バテの症状や原因と大きな違いはありませんが、夏が終わり秋口にもこのような症状が起こること、その状態が継続していることを「秋バテ」と称するようになっています。

夏場に冷房を嫌う高齢者は依然として多く、炎天下、長時間の外出や庭仕事などによって身体への負担が大きくなり、日々の生活の中で体調を崩してしまうことがあります。

逆に冷房が効いた部屋に長時間いた場合、熱中症のリスクは軽減できるものの、今度は"冷房疲れ"による体調不良に見舞われることもあります。

真夏はほとんどの公共の場でエアコンが効いています。そのため外出が多い高齢者は、外気との急激な温度差によって自律神経が乱れ体調不良につながるケースも多いのです。

また冷たい物ばかりを口にすると胃腸への負担が大きくなり、それによって起こる消化機能の低下も秋バテとなる一因です。こういった生活に慣れてしまうと全身にだるさ(倦怠感)を覚えるようになり、同時に食欲も落ちてきます。肩こりや腰痛になる人も少なくありません。

通常、夏バテは暑さが和らいでくると同時に体調も回復してくるものですが、エアコンの効いた部屋で一日中過ごしたり、冷たい食べ物や飲み物ばかりをとりつづける生活が長引けば回復も遅くなっていきます。特に高齢者の場合、基礎体力と免疫力が低下しているため注意が必要です。

全国各地で猛暑に見舞われたこともあり、熱中症対策に注力していた人も多かったことと思います。その反面、快適な生活環境に慣れてしまった反動で、予想外の体調不良を引きずってしまう高齢者が増えることも心配されます。

秋バテは命にかかわるような重大な症状が出ないことから、家族としてはつい油断してしまいがちですが、顔色が悪かったり体調不良を訴えたりするようであれば、できることから予防や対策に努める必要があります。

秋バテの予防と対策。まずは生活習慣の見直しから

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それではどのように秋バテを解消していけばよいのでしょうか。まずは生活習慣を見直し、徐々に夏型の生活からシフトしていくことが求められます。

●食事
食欲不振になってしまうと、食事を抜いたり簡単なもので済ませたりしがちですが、必ず1日3食をできるだけ決まった時間に摂取しましょう。

栄養バランスが取れた食事がベストですし、胃腸を刺激する冷たい食べ物は極力避けたいところですが、どうしても冷たいメニューになってしまう場合、飲み物のお茶は温かくするなどしてバランスを取りましょう。

栄養素でいえば、ミネラル、ビタミンB1、タンパク質など疲労回復やエネルギー代謝に効果的な食品がおすすめです。また、調理の際も消化されやすいよう食品を細かく刻むといった工夫も重要です。

●室温調節
秋になってもしばらくは、まだまだエアコンに頼らなくてはいけない日々がつづきます。一般的に冷房時の適温と言われているエアコンの設定温度である27~28℃は、少し暑く感じるはずです。

しかし、秋は冬への備えをする準備期間です。真夏の猛暑で受けたダメージや冷房で冷えた身体を徐々に回復させなければなりません。9月中は猛暑日もあるでしょう。熱中症のリクスは回避しながらも、徐々にエアコン離れをするように心掛けましょう。またエアコンの冷風が身体に直に当たらないよう風向きを調節してください。

●入浴
入浴には血行を促し、冷房で硬直した筋肉を和らげる効果があります。さらには体内に溜まった老廃物を排出させようという動きが活発になります。入浴は身体を温めるだけでなく、身体を清潔にして気分をリラックスさせてくれる効果があるので、気分よく1日を終えるためにも欠かせないものです。

冬場はヒートショックなど考慮する必要があります。秋はそこまで注意を払う必要はありませんが、脱水症状には気をつけるようにしましょう。

●運動
真夏日がつづくと外出を控えるようになり、運動はおろか日常的に歩く頻度も減っていきます。そうなると汗をかかなくなるため、体温調節がさらに鈍くなり、これも秋バテの一因となります。早朝や日が沈みかけた夕刻時などを利用し、わずかな時間でもウォーキングなどの有酸素運動で身体を動かす習慣をつけましょう。

●睡眠
きちんと体調を整えるためには睡眠も重要です。暑さで眠りにつけない場合、冷房器具を使うことは有効ですが、エアコンは冷えの原因になることから低すぎない温度に設定しタイマーをかけるようにしましょう。扇風機に関しては、直接風が当たったままの状態だと体温が奪われるため、首振り機能を使うなどの対策をしましょう。秋口は夏と比べ、寒暖差が激しくなりますので、必ず腹部を中心に薄手の布団(タオルケットなど)をかけるようにしてください。

秋は冬への準備期間。入念な体調管理で冬を乗り切ろう

9月も中ほどになると全国的に暑さのピークは過ぎますが、今度は季節の変わり目の急激な気温変動によって体調を崩すことも考えられます。夏から秋へ、そして秋から冬へ。本格的に冷え込む前に秋バテを解消しておきたいところです。

人間の身体は緊張時や興奮時に活発になる交感神経と、リラックス時や睡眠時に活発になる副交感神経の2つの自律神経によってコントロールされています。自律神経は人間の体温調整にも深くかかわっていますが、気温がプラスマイナス5℃を超えると体が温度変化に対応しきれずさまざまな体調不良を引き起こします。

特に空気の乾燥した冬はウイルスが飛散しやすくなるため風邪に注意が必要です。また、インフルエンザをはじめとする感染症が大流行するのもこの季節。特に免疫力が低下した状態ではあらゆる病気にかかりやすくなるので、冬が始まる前に秋バテを克服しておきましょう。

まとめ

四季の特徴が豊かな日本では、そのシーズンならではの風景や食べ物、行事など年間を通して楽しむことができます。しかし、生活が豊かになっていく反面、集中豪雨やヒートアイランド現象といった急激な環境の変化が私たちの頭を悩ませています。

特に高齢者の場合、急激な環境変化への対応が難しく、一旦体調を崩すと元の状態に回復するまでに時間がかかってしまいます。日ごろから高齢家族の体調管理に気を配り、病気の予防に努めていくことが厳しいシーズンを乗り切るために必要なことなのです。



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