介護のお役立ちコラム
近年「笑い」と「健康」の関連性に注目が集まっています。そんな「笑い」を取り入れ、誰でも簡単にできるエクササイズが「笑いヨガ(ラフターヨガ)」です。今回は、笑いが健康に及ぼす効果や、「笑いヨガ」の具体的なやり方について解説していきます。
笑いヨガ(ラフターヨガ)とは
1995年にインド人の医師マダン・カタリア氏によって考案された「笑いヨガ(ラフターヨガ)」は、笑いのエクササイズと、ヨガの呼吸を組み合わせた独自の運動習慣です。
一般的なヨガのようにポーズをとったり、専用の器具を使ったりするものではなく、笑うことをメインとしているため、誰でも簡単に取り組めるのが特徴です。
日本では2006年頃から徐々に浸透しはじめ、現在ではメンタルケアの一環として取り入れている企業や施設も増えています。
笑いが健康に及ぼす効果
まず笑うことが健康に及ぼす効果について触れていきます。近年の研究では、笑うことで下記のようなメリットが得られると言われています。
1. ストレスの軽減
笑うことで分泌される脳内物質のひとつに「エンドルフィン」というホルモンがあります。このホルモンには多幸感をもたらす効果があり、モルヒネの数倍の鎮静作用があるのです。
また、笑いには「ストレスホルモン」とも呼ばれる「コルチゾール」の値を下げる効果もあるので、ストレスの軽減や予防にもつながります。
2. 血行の促進
声を上げて笑うことで「有酸素運動」をしているのと同様の状態となり、体内に多くの酸素が取り込まれます。それにより新陳代謝が活発になり、血行の促進にもつながります。
3. 脳の活性化による記憶力アップ
脳内の記憶を司る器官である「海馬」は、笑うことで活性化されます。また、笑いにより脳内のアルファ波が増大することでリラックス状態が促され、脳の血流も良くなるので、記憶力アップや認知症予防への効果も期待できます。
4. 免疫力の向上
ウィルスに感染した細胞や、がん細胞を破壊・抑制するリンパ球の一種「NK(ナチュラルキラー)細胞」は、笑うことで活性化されます。NK細胞の活性が高まることで、感染症などの疾病を未然に防ぐことができるなど、免疫力の向上につながります。
5. 腹筋や表情筋などの筋力強化
笑いヨガのように大声で笑ったり、顔全体を使う動きをしたりすることで、自然と腹筋や表情筋が鍛えられます。顔のたるみが抑えられるので、リフトアップ効果も期待できます。
簡単にできる笑いヨガのやり方
笑いヨガの基本的な笑い方ですが、笑顔と深呼吸を意識しながら、「ホッ!ホッ!ハッ!ハッ!」と細かく息をつき、お腹から声を出していきます。肺にたまった不要な空気を出し切るイメージで、これを10分ほど繰り返します。
笑い方に慣れない最初のうちは、無理をせず30秒だけ意識的にやってみるなど自分の心地いいペースで行うことが大切です。また、笑顔もつくり笑いで構いません。
次に、数人のグループで楽しくできる笑いヨガの簡単なエクササイズを4つ紹介します。
挨拶笑い
両手を合わせるインドの挨拶「ナマステ」ポーズをとりながら、パートナーと一緒に大きく口を開けて笑いあいます。
口論笑い
文句を言い合うようにパートナーと指を刺し合いながら、楽しい気持ちで笑いあいます。
自転車こぎ笑い
自転車を運転するようなイメージで、両手でハンドルを握るポーズをとり、下半身を動かしながら笑いあいます。
電気ショック笑い
握手で静電気が走ったときをイメージして、驚いたように急に離れて笑いあいます。
笑いヨガを行う際の注意点
誰でも簡単にできる笑いヨガですが、下記の項目に当てはまる方は実施する際に注意が必要となります。
・3ヵ月以内に手術を受けた
・多量の出血がある
・高血圧
・咳ぜんそく
・心臓病
・腰痛
・ヘルニア
・尿失禁
・精神疾患
・てんかん
また、いずれの症状に当てはまらずとも、体調不良や過度のストレスを抱えている際などは決して無理をせず、身体の調子が良いときに行うようにしましょう。
最後に
今回紹介したように、「笑い」にはストレスの軽減や免疫力の向上など、様々な健康的プラス要素があります。普段あまり笑うことがないという方は、「笑いヨガ」のような方法を意識的に実践してみるのもよいでしょう。
友人同士などのグループで行えば、より楽しくエクササイズを続けることができるので、ぜひ健康習慣のひとつとして取り入れてみてはいかがでしょうか。
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