介護のお役立ちコラム

認知症介護の強い味方、認知症サポーターってなに?|認知症のコラム

認知症介護の強い味方、認知症サポーターってなに?|認知症のコラム

更新日:2017.10.12

日本では認知症患者が年々増えています。2025年には65歳以上の5人に1人が認知症患者になるといわれており、認知症患者の家族の負担が一層大きくなることが予想されます。(※1)

そんななか、認知症患者とその家族を地域でサポートする「認知症サポーター制度」という取り組みがおこなわれているのをご存知でしょうか?

認知症サポーターは簡単な講習を受ければなることができ、サポーターになることで認知症に対する正しい知識を身につけられるなど、いくつかのメリットが得られます。今回は、毎日の介護にも活かせる「認知症サポーター制度」についてご紹介しましょう。

「認知症サポーター制度」の目的とその役割とは?



「認知症サポーター制度」は、2005年に厚生労働省の呼びかけでスタートしました。目的は、地域ぐるみで認知症患者とその家族を支援することで「認知症患者が安心して暮らせる街」を実現することにあります。

その活動の一環として、認知症に対する正しい知識と理解を持つ「認知症サポーター」を養成しています。サポーターの役割は認知症を正しく理解し、認知症の人や家族を見守り、支援すること。患者の支援だけでなく、認知症の正しい知識を友人や家族に伝えたり、患者の世話をする家族の相談を聞いたりすることもサポーターの活動になります。

高度な知識や技術は必要なく、後述する「認知症サポーター養成講座(講習時間90分)」を受講すれば、誰でもサポーターになることが可能です。

現在、認知症サポーターの数は全国で900万人を突破。その活動の輪はさらに広がりを見せ、社会全体で認知症を正しく知ろうという機運が高まっています。決して家庭内だけで悩まず、些細なことでも支援してくれる人たちがいることを覚えておきましょう。

認知症サポーターになるメリットとは?



介護をおこなう人は、サポーターになることでいくつかのメリットが得られます。ここではそのメリットについてご紹介します。

ご家族の介護で適切な対応ができる

認知症患者に接するとき、認知症の代表的な症状や対処法を知っておくと正確に対処することができます。サポーター制度の講座を受講して認知症に対する知識を身につけておけば、介護の負担を抑えることができるでしょう。

認知症サポーターとのつながりができる

認知症サポーターになろうとする人の多くは、認知症患者を支援したいと考えている人です。そのような意思や価値観を持つ人とつながりを持てば、困ったときに力強い味方になってくれるはず。もしサポーターのなかに介護の経験がある人がいれば、患者との接しかたなど、介護のコツを教えてもらえるかもしれません。

認知症患者が住みやすい地域をつくることができる

地域に認知症サポーターのネットワークができ、認知症に対する理解がある人が増えると、地域ぐるみで患者を見守ることができます。認知症患者は知らない間に家から出てしまうこともあるので、情報を共有してくれたり、患者を保護してくれたりする人が近くに住んでいれば、患者もご家族も安心して暮らすことができるでしょう。

ひとりでおこなう介護は、悩みをひとりで抱え込みやすく、身体面・精神面ともに辛いものです。地域ぐるみで認知症患者の支援ができれば、介護するご家族の負担も抑えることができます。

認知症サポーターになるために、受講場所とその費用



認知症サポーターになるためには「認知症サポーター養成講座」を受講する必要があります。一般的に養成講座は、各自治体・企業・慈善団体・認知症サポーターと、養成講座の講師役である「キャラバン・メイト」が協働して開催しています。定期的に養成講座を開催している自治体もありますが、場所、日付、定員などは開催地ごとに異なるので、まずはお近くの自治体に問い合わせてみましょう。

基本カリキュラムは90分間。「認知症の代表的な症状」「診断方法」「予防方法」や「サポーターの役割」で構成され、受講を終えると認知症サポーターの証である「オレンジリング」(オレンジ色のリストバンド)が支給されます。

講師役を担う「キャラバン・メイト」はボランティアで運営されているので、基本的に受講費はかかりませんが、教材費やオレンジリングの送料、独自に会場を手配する場合の費用は、参加者が負担します。

地域の事業者によるサポート体制も



近年では、街の店舗や交通社などの事業者が認知症サポーターとして活動している事例もあります。

たとえば、スーパーマーケットのスタッフが認知症サポーターになった場合、買い物が上手くできない認知症患者に対して保護や介助をしてくれたり、タクシー会社のスタッフがサポーターになったのならばドライバーが迷子の患者を見かけた場合、保護してくれることもあるでしょう。

認知症サポーターがいるお店には、「認知症サポーターがいます」や「認知症の人に優しいお店」と書かれた証書(ステッカーなど)が貼られています。認知症の方が安心して利用できるお店として覚えておきましょう。

認知症介護の悩みは、地域の助け合いで解決しましょう

認知症患者を介護する家族の悩みは、肉体的・精神的負担だけではなく、世間の認知症に対する誤解や偏見も大きな原因です。デリケートな問題でもあるため、なかなか事実を打ち明けられないこともあるでしょう。認知症への正しい知識と理解の輪が広がることで、そういった介護の負担を軽減することができます。


「認知症サポーター制度」がより浸透し、正しい知識を持った人が増えることで、地域ぐるみで助け合うことができます。私たちひとりひとりができることを少しずつ実践することで、認知症患者とその家族が安心して暮らせる街づくりができるはず。認知症患者を介護する当事者として、地域全体で患者が住みやすい街を目指していきましょう。

※1出典:厚生労働省 認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)

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