介護のお役立ちコラム

「認知症?」と思ったら手軽な診断テストでセルフチェック|認知症のコラム

「認知症?」と思ったら手軽な診断テストでセルフチェック|認知症のコラム

更新日:2018.08.23

【最終更新日:2022年9月13日】

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「もの忘れが激しくなった」「同じことを繰り返し尋ねるようになった」。こういった現象が高齢者に見られるようになると、認知症の不安が頭をよぎるのではないでしょうか。

早めに病院に行き医師の診断を受けることが先決ですが、現在、家庭でも手軽に認知症疑いを予見できる検査やツールなどがあり、まずは家族間で脳の様子を把握しておくのもよいでしょう。

今回は、認知症の早期発見に有効とされていて、実際の医療機関でも導入されているさまざまな検査方法をご紹介します。

認知症の診断とスクリーニング検査とは?

「認知症」とは、病院などの医療機関の診察を経て診断される病気であり、厚生労働省は「生後いったん正常に発達した種々の精神機能が慢性的に減退・消失することで、日常生活・社会生活を営めない状態」と定義づけています。

それでは実際に、病院ではどのような検査がおこなわれているのでしょうか?

まずは①身体検査、②脳の検査、③脳の画像診断がおこなわれます。①と②に関しては血液、尿、内分泌液検査、心電図、脳波測定といった、私たちが普段健康診断で受けているような検査内容と同様です。

③については、CTやMRIを用いて実際に脳の形状を測るため、脳の萎縮が見られるアルツハイマー型認知症の発見が容易になりました。また脳の血流を測る「SPECT」、脳の代謝を測る「PET」といった検査も認知症の早期発見に有効ですが、SPECTやPETは検査の金額が高額になることから、慎重に選択するようにしましょう。

上記の検査と合わせ、実際に医師が患者(高齢者)と接見し、単語の暗記、計算、言葉の復唱、文字や図形の書き取りといった記憶に関するテストをおこないます。

これらの検査やテストの結果を総括した上で医師から診断が下され、今後の生活をどう送るべきかアドバイスを受けます。明らかに脳の委縮が見られ、テストの採点結果が著しく悪かった場合、「認知症」と診断されることもありますが、早めの受診では「軽度認知障害(MCI)」や「認知症疑い」と診断されることもあります。このように特定の病気の疑いのある人を早めに発見し、適切な治療に導き症状の緩和や軽減につなげるための検査を「スクリーニング検査」といいます。

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自宅で簡単にできる認知症チェック

pixta_40524322_M.jpg ご紹介した医師との面談によるテストは、実は家庭でもできるものも多く、テストの内容はホームページなどからダウンロードし入手することが可能です。それでは実際の医療の現場でも導入されている認知症チェックツールの内容を見てみましょう。

長谷川式認知症スケール

1974年に登場し、途中一部改定があったものの、現在までほぼ同じ内容でおこなわれているもっともポピュラーな認知症診断テストと言えます。

大きく9つの設問に分かれています。

* ①年齢(受検者の年齢を問う) * ②日時の見当識(今日が何年、何月、何日かを問う)
* ③場所の見当識(今現在の場所がどこなのか問う)
* ④3つの言葉の記銘(3つの単語、桜・猫・電車(または梅・犬・自動車)を順番に暗記してもらう)
* ⑤計算問題(数字を使った計算)
* ⑥数字の逆唱(提示する3ケタの数字を逆から読んでもらう。正解したら次は4ケタで)
* ⑦3つの言葉の遅延再生(④で暗記した単語を復唱してもらう)
* ⑧5つの物品記銘(5つのアイテム(タバコ、ペン、腕時計など)を順番に見せ、後で何があったかを問う)
* ⑨言葉の流暢性(野菜の名前などをできるだけ多く答えてもらう)

上記にはいくつかの設問があり、それらに対し正答が得られれば1点、間違いもしくは答えられなければ0点となります。採点の結果30点満点中20点以下の場合、認知症の可能性が高いと言えます。長谷川式認知症スケールの評価用紙、筆記用具、設問⑧で使用するアイテムが用意できればすぐに実施できます。

日本認知症予防協会「認知症予防のための"自分でできる! かんたんチェックリスト"」

「一般社団法人 日本認知症予防協会」が作成した全20項目のチェックリストです。認知症・MCIの早期発見のきっかけとしてご活用ください。「あれ、おかしいな?」と気になり始めたらチェックしてみましょう。

・一般社団法人 日本認知症予防協会「認知症予防のための"自分でできる! かんたんチェックリスト"」

スクリーニング検査を受ける前の注意点

今回取り上げた診断テストは比較的簡単に認知症の疑いを判別できる検査になります。それゆえ、もし点数が悪かったとしても、その結果が即認知症であるという意味ではありません。あくまで一つの目安として参考程度にとどめておくようにしましょう。

また心身ともに不安定なことが多い高齢者が実施すると、その日の体調や気分によって結果が大きく変わることもあります。同時に、気軽にできるからといってゲーム感覚で勧めるのも控えたほうがよいでしょう。満足のいく結果が出なかったことに対して、高齢者のプライドが大きく傷ついてしまうことも考えられます。以上のことから、決して無理強いはせずに本人の合意が得られたときにチャレンジしてみるとよいでしょう。

運動による認知症未病改善・認知症予防の取り組み事例「東急ウェリナ旗の台」

東急ウェリナ旗の台

東急ウェルネス株式会社が運営する東急ウェリナ旗の台(サービス付き高齢者向け住宅)では、コグニサイズプログラム「ラダーステップ」を取り入れています。

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「ラダーステップ」とは、はしごのような形をしたラダーという運動用具を使ったトレーニングで"動く脳トレ"ともいわれています。頭で考えながら足や身体を動かす、デュアルタスク(ながら運動)は、2つの動作を同時にすることで運動機能と思考機能を司る前頭葉を刺激させます。

東急ウェリナ旗の台では、フィットネスルームを利用して月2回(予約制・30分程度)行われていて、参加する入居者からは笑顔や笑い声がこぼれるそうです。

「東急ウェリナ旗の台」の施設紹介ページはこちら

「東急ウェルネス」特設ページはこちら

終わりに

万全を期して挑んだ結果、スコアが低かった場合、やはり早急に医師の診察を受けることが重要です。認知症は発見が早ければ早いほどその進行を遅らせることは可能です。誰もが自分が認知症であることは認めたくないでしょう。それでも診断の結果を恐れず、勇気を持って検査を受けることが、老後元気に健康で暮らしていくためには必要なことなのです。

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