知っているようで知らない、
老人ホームの基礎知識。
【不安解消】老人ホームの入居相談に最適な機関とは
【不安解消】老人ホームの入居相談に最適な機関とは
老人ホームには様々な種類があるので、どれを選んでよいか分からない利用者が多いことでしょう。そんなときに有効なのが老人ホームの入居相談です。入居相談では、利用者の要望に最も近い老人ホームを紹介してくれます。ここでは、老人ホームの入居相談が可能な機関の種類と、それぞれの特徴を詳しく紹介しています。
目次
そもそも老人ホームの入居相談とは?
利用者の要望に合う老人ホームを紹介するのが入居相談の主な内容です。窓口によっては、利用者の経済状況・身体的な状況を事細かに聞いて最適な施設を提案してくれたり、見学の予約や付き添いまでしてくれたりすることもあります。
さらに老人ホーム選びをする前の段階で、病院から退院しないといけないが、そもそもどうしたらいいか分からないといった相談からのってもらえる窓口もあります。入居する施設が決まっているときは、契約手続きの流れを教えてくれたり、サポートしてくれたりする窓口もあるので、興味があれば探してみるとよいでしょう。
専門の機関に入居相談した方がよい理由
一口に老人ホームと言っても、高齢者向けの入居施設の種類は様々です。公共の介護施設としては「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護医療型医療施設」「軽費老人ホーム」「ケアハウス」などがあげられます。
一方民間の施設としては「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「グループホーム」などがあります。利用者の状況次第では、自立した老人向けの「サービス付き高齢者向け住宅」「シニア向け分譲マンション」も選択肢に入ってくるでしょう。
このように高齢者の様々なニーズを満たすべく、いろいろな種類の老人ホーム・入居施設があり、それぞれ特徴や利用者ごとの向き不向きが異なります。利用者の立場に立ってみると、これらの特徴を全て把握して、自分に最適な施設を選ぶことは困難です。そもそも老人ホームを活用すべきか否かを含めて、どう介護すべきかといった悩みを持っている方もいるでしょう。
専門の入居相談では、利用者の要望を詳しく聞きながら、各施設の特徴やどれが要望に近いかなどを分かりやすく解説してもらえます。老人ホーム選びの、力強い味方になってくれるのが入居相談なのです。
老人ホームの入居相談ができる機関
老人ホームの入居相談を受け付けてくれる窓口には、以下の通り、様々な種類があります。
- ① 高齢者総合相談センターや福祉事務所
- ② 民間の紹介センター
- ③ 担当のケアマネジャー
- ④ その他、相談できる機関・窓口
それぞれ性格が異なりますので、1つずつくわしく解説します。
①高齢者総合相談センターや福祉事務所
高齢者総合相談センターとはシルバー110番とも呼ばれ、高齢者やその家族が抱える様々な悩みの相談にのってくれる施設です。電話や面談での相談が出来ます。各都道府県に1ヵ所ずつ設置されており、電話の場合は「#8080」とダイヤルすれば繋がります。相談料は無料です。
一方、福祉事務所は社会福祉法に基づいて、都道府県及び市(特別区を含む)に設置が義務付けられている第一線の社会福祉行政機関です。生活保護の相談・実施、知的障害者の福祉相談・援助施設への入所、母子福祉資金の貸付など、福祉に関するさまざまなサービスを提供しています。その業務の1つとして、老人ホームの入居相談も行っています。いずれも無料で入居相談が可能なので、気になったら気軽に利用してみるとよいでしょう。
ただし公共の施設であることから、立場上、民間の機関のように「ここがおすすめです」と特定の施設を推薦するのは出来ません。また担当する地域外の情報に関しては、案内が難しいのでその点は注意しましょう。
②民間の紹介センター
民間の紹介センターでは、公共の窓口のような地域性があるわけではなく、基本的には全国の情報を持っていてその中から適切な施設を紹介してくれます。相談料は無料で、町の不動産屋に住宅を紹介してもらうように、気軽に相談出来るのがメリットです。公共の窓口と違って、施設ごとの評判やおすすめ施設の紹介などもしてもらえます。
なお民間の紹介センターでは、紹介した老人ホームから紹介料をもらって運営されていることがほとんどです。そのため提携するホームが少ないと、結果的に紹介してもらえるホームの選択肢が少なくなります。民間の紹介センターに相談する際は、そのセンターにどの程度の情報があるのか、注意しておくとよいでしょう。
③担当のケアマネジャー
ケアマネジャーの主な業務は、利用者が介護保険サービスを適切に受ける際に必要となるケアプランを作成することです。ケアプランでは、介護を必要とする人が、介護保険サービスをどのように利用すれば自立した幸せな生活が送れるかを計画立案します。このプランに基づき、利用者は各種介護保険サービスを受けることになります。
ただしケアマネジャーの業務はプランづくりに留まりません。利用者と自治体や各施設との間に立って様々な調整をしたり、利用者の代わりに施設へクレームを言ったりするのも業務の一環です。利用者の一番身近に立ち、入居相談含め様々な相談にのってくれるのが担当のケアマネジャーといえます。
なおケアマネジャーが所属するのは、国や都道府県ではなく、主に居宅介護支援事務所や各介護保険施設です。居宅介護支援事務所では、老人ホームやデイサービスといった他業務も行っていることが多いです。
ケアマネジャーは、中立的な立場でケアプランを作成する必要があるとされていますが、実際には自分の所属する組織のサービスを優先的に紹介する場合もあります。もちろん、それが利用者にとって適切であれば問題ありませんが、ときには他の選択肢が十分に検討されていないケースがあることも否めません。
そうならないためにもケアマネジャーの事前面接で、自社のサービス以外も紹介してくれるかチェックするとよいでしょう。またそのケアマネジャーが自分に合わないと感じたら、派遣元の居宅介護支援事業所や市町村の窓口へ相談すれば替えてもらうことも可能です。
④その他、相談できる機関・窓口
高齢化が進んでいる現代では、その他にも様々な窓口で入居相談が可能です。たとえば市区町村の福祉課でも簡単な相談にはのってくれますし、そこから適切な相談窓口を案内してくれます。
また市町村などの自治体が設置している「地域包括支援センター」では、介護をはじめ福祉、医療などその地域に暮らす高齢者とその家族を総合的にサポートしています。どんな窓口へ入居相談してよいかわらないときは、まずはそれらの窓口からあたってみるのもよいでしょう。
窓口ごとの特徴を知って入居相談を有意義なものにしよう
高齢者総合センターや民間の紹介センター、ケアマネジャーなどなど、老人ホームの入居相談が出来る機関には様々な種類があります。それぞれ特徴がある上に、どれも無料で相談できるので、いくつか利用してみて自分に合う機関を探してみるのもよいでしょう。なお相談する前に、あらかじめインターネットで事前調べをしておくと、より有意義な入居相談ができることでしょう。