どの施設が自分に適しているのかを
知っておきましょう。
介護付き有料老人ホームとは?費用やサービスを解説
介護付き有料老人ホームは、施設職員から24時間体制で介護サービスを受けられる民間の高齢者入居施設です。入居するには一定の条件を満たす必要があり、施設ごとに費用やサービス内容も異なっています。
そこで今回は、介護付き有料老人ホームにかかる費用やサービスの内容、入居条件を紹介します。選ぶ方法やポイントも解説しているので、介護付き有料老人ホームについて知りたい方や、入居をご検討されている方はぜひ参考にしてください。
目次
介護付き有料老人ホームとは
介護付き有料老人ホームとは、介護保険法上の基準を満たし、各都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホームのことです。有料老人ホームにはさまざまな種類がありますが、指定を受けた有料老人ホームのみに「介護付き」の表記が許されています。
設備基準
介護付き有料老人ホームでは、設備に関する基準が定められています。
ご入居者が生活する居室は個室が原則で、プライバシーに配慮された環境と介護を行えるスペースが確保されている点が特徴です。施設によっては、ご夫婦で入居できる二人部屋も準備されています。
ほかにも下記のような設備基準が設けられています。
- ・居室の1人あたりの床面積は13㎡以上とする
- ・耐火建築物または準耐火建築物である
- ・廊下の幅は1.8m以上(車いすで円滑に移動可能な空間の確保が目的)
- ・地階に設置しない
- ・トイレ、浴室、機能訓練室、食堂
浴室には手すりを設置するなど、高齢者が安全に入浴できるように設計されています。
また、居室のある階ごとに設置されたトイレには、万が一の際に備えて職員を呼べるようにナースコールが設置してあります。
そして、施設全体がバリアフリー化されているため、車いすの方でもスムーズな移動が可能です。
職員配置や体制
介護付き有料老人ホームにおける職員配置の最低人員基準は、以下の通りです。
管理者 | 常勤1名以上 (兼務可) |
---|---|
1名以上 入居者:生活相談員=100:1 | |
要介護者:看護・介護職員=3:1(要支援者の場合は10:1)※要介護者等が30名までは1名だが、30名を超える場合は50名ごとに1名追加 | |
1名以上(兼務可) | |
1名以上(兼務可)入居者:介護支援専門員=100:1 |
上記の通り、看護・介護職員については、要介護者3名に対して1名以上が義務付けられています。
介護職員は24時間常駐しますが、看護職員は日中のみの勤務としている施設も多いようです。
そのほか、協力医療機関と提携して入居者の対応にあたる医療体制を敷くことが施設設置基準で定められています。
▼参考資料はコチラ
厚生労働省『有料老人ホームの設置運営標準指導指針について』
施設数は有料老人ホーム全体の4割を占める
有料老人ホームには「介護付き」「住宅型」「健康型」の3タイプがあり、全国の施設数に占める割合は、2015年の公益社団法人全国有料老人ホーム協会によるデータから、介護付がおよそ4割、住宅型が6割です(健康型は全国で16件)。
一方、同年の有料老人ホーム全体の定員総数は34万人超で、このうち介護付きが約20万4,000人と全体の約6割を占めています。1施設あたりの平均定員数は、介護付きが61.6人、住宅型が28.1人でした。
なお、直近の2021年10月時点では有料老人ホーム全体の定員総数は63万人超となっており、今後も高齢化が進むことから介護付き有料老人ホームの総数もさらに増加していくでしょう。
ほかの有料老人ホームとの違い
「介護付き」「住宅型」「健康型」の施設数と定員数の違いを以下にまとめました。
施設数 | 定員数 | |
---|---|---|
介護付き有料老人ホーム | 3,308件(39.3%) | 203,914人(58.6%) |
住宅型有料老人ホーム | 5,100件(60.5%) | 143,466人(41.2%) |
健康型有料老人ホーム | 16件(0.2%) | 611人(0.2%) |
2015年 公益社団法人全国有料老人ホーム協会によるデータより作成
24時間体制で介護が受けられる介護付き有料老人ホームは、定員数も多く需要の高い老人ホームと言えるでしょう。
介護付き有料老人ホームで提供されるサービス
次に、介護付き有料老人ホームの提供するサービスについてご紹介します。
介護サービス
介護付き有料老人ホームでは、ご入居者の心身の状態に合った介護サービスを昼夜問わず受けられます。提供される主な介護サービスは、食事や入浴、着替え、排せつなどの介助です。
また、入居後のケアプラン(介護サービス計画書)は、施設のケアマネジャーがご入居者の状態やご家族の希望を確認したうえで作成します。介護付き有料老人ホームに入居した場合、このように手厚い介護サービスを受けながら生活できます。
生活支援
ご入居者が日常生活を送るうえで必要な生活支援も受けられます。
主な生活支援サービスは、次の通りです。
- ・洗濯
- ・居室の掃除
- ・食事の提供
- ・安否確認
安否確認では、定期的に職員が居室を巡回して、体調の急変や困りごとがないか確認してくれます。
また、施設によっては、次のようなサービスも提供しています。
- ・買い物代行
- ・外出の付き添い
- ・行政手続きの代行
1か月間に利用できる回数や外出するエリアが決まっている場合もありますが、生活に最低限必要なサービスが受けられるため、身寄りのない方やご家族が遠方にいる方も安心して過ごせるでしょう。
リハビリテーション
介護付き有料老人ホームでは、施設内にある機能訓練室を使用して、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)などによる専門的なリハビリテーションを受けられる施設もあります。
リハビリテーションといっても、体力・筋力を向上させるための体操や筋トレだけではありません。ご入居者が楽しみながら取り組めるよう、脳トレクイズやゲームなどレクリエーションの要素を持たせたリハビリテーションも実施されます。ご入居者同士が交流を深めるきっかけにもなっています。
健康管理
日々の健康管理も提供されるサービスの一つです。具体的には、次のようなものがあります。
- ・看護師による血圧測定や服薬管理
- ・食事や水分の摂取量、排せつの状況の確認
またご入居者の健康管理の一環として、定期的な健康診断や健康相談も行われています。
入院には至らない程度の体調不良や軽いケガの処置なども、協力医療機関との提携のもと対応可能です。
介護付き有料老人ホームの入居条件
介護付き有料老人ホームには「介護専用型」と「混合型」があり、それぞれで入居条件が異なる場合があります。以下で詳しく見ていきましょう。
年齢
介護付き有料老人ホームに入居できる年齢は、原則として65歳以上です。
しかし、40歳以上で、介護保険の対象となる下記の特定疾病(16種類)により要介護認定を受けている方は60歳未満でも入居できる場合があります。
〔16種類の特定疾病〕
・がん(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る)
・筋萎縮性側索硬化症
・後縦靱帯骨化症
・骨折を伴う骨粗しょう症
・多系統萎縮症
・初老期における認知症
・脊髄小脳変性症
・脊柱管狭窄症
・早老症
・糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症および糖尿病性網膜症
・脳血管疾患
・進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症およびパーキンソン病
・閉塞性動脈硬化症
・関節リウマチ
・慢性閉塞性肺疾患
・両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
要介護度
「介護専用型」では、要介護1〜5の認定を受けている方が入居対象です。入居したその日から介護サービスを受けられます。
一方で、「混合型」の入居対象は自立〜要介護5の方と、入居できる対象が幅広いのが特徴です。入居時には自立した生活を送っていた方が、心身の状態の悪化により要介護状態になったとしても、介護サービスを受けながら住み続けることができます。
費用
年齢や要介護度の要件をクリアしていても、支払い能力がないと判断された場合は入居できません。
介護付き有料老人ホームでは、入居前に審査が行われ、利用者の資産や年金額を施設側が確認する場合もあります。
介護付き有料老人ホームの費用については、次章で詳しく解説します。
介護付き有料老人ホームの費用
民間施設である介護付き有料老人ホームは、利用できる設備や提供されるサービスが施設ごとに大きく異なります。
そのため、高級ホテルのような豪華な設備やサービスを売りにしている施設は高額な費用を設定しています。一方で、入居を急ぐ方や一時的に入居したい方が利用しやすいように初期費用を抑えている施設もあります。
以下では、介護付き有料老人ホームの費用について具体的に確認していきましょう。
初期費用・入居一時金
介護付き有料老人ホームに入居する際には、多くのケースで初期費用として入居一時金が必要になります。相場は0円〜数千万円と幅広く、施設によって異なります。
入居一時金とは家賃の前払いにあたるもので、入居後、一定の償却期間が経過する前に施設から退去した場合は、未償却分が返還されます。ただし、償却期間や償却率は施設によってさまざまなので、事前に確認しておくとよいでしょう。
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月額費用
月額費用とは、毎月支払う決められた費用のことで、介護付き有料老人ホームの場合は15〜40万円程度が一般的です。
月額費用の主な内訳は、以下の6つです。
- ・賃料
- ・管理費
- ・食費
- ・光熱水費
- ・介護保険サービスの自己負担分
- ・その他費用
月額費用のうち、賃料は施設の立地や部屋の広さなどで変わってきます。一般的に地方の施設よりも都心の施設の方が高額に設定されています。
食費は提供される食材などによって金額が異なります。光熱水費は管理費の中に含まれる場合もあります。
介護保険サービスの自己負担分は要介護度に応じた料金です。その他費用には、医療費やおむつ代、理美容代などがあります。
自己負担額はいくら?
介護保険サービスを利用した場合の自己負担額を要介護度別に確認しておきましょう。
特定施設入居生活介護(30日分)負担割合1割の場合 (1単位=10円で計算)
要介護区分 | 自己負担額 |
---|---|
要支援1 | 5,460円 |
要支援2 | 9,330円 |
要介護1 | 16,140円 |
要介護2 | 18,120円 |
要介護3 | 20,220円 |
要介護4 | 22,140円 |
要介護5 | 24,210円 |
厚生労働省『介護報酬の算定構造』より作成
介護保険サービスの自己負担分は、要介護度別の定額料金です。
負担割合に応じて1〜3割の負担を支払います。1割が基本ですが、所得に応じて2〜3割負担する方もいます。
入居費用を節約する方法
介護付き有料老人ホームの入居費用の支払いに不安を覚える方もいるかもしれません。しかし、入居費用は以下の方法で節約できます。
1.条件やサービスにこだわらない
入居費用を節約したい方は、築年数が古い施設や郊外・地方にある施設、標準的な設備と人員でサービスを提供している施設を選ぶとよいでしょう。条件やサービスにこだわらなければ、費用を抑えて入居できる可能性があります。
一方で、新築の施設や利便性の高いエリアにある施設、基準よりも介護職員や看護職員の数が多く、設備も充実しているなど好条件の施設は、費用も高額に設定されています。
2.ほかの施設と比較・検討する
多くの施設の情報を集めて入居費用の比較・検討をすることが大切です。似たような規模やサービス内容の施設であっても、費用負担が少ない施設が見つかるかもしれません。
3.公的施設を検討する
公的施設を利用すると、多くのケースで入居費用を抑えられます。
介護施設のなかでも、介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどの公的施設の費用は、民間施設の有料老人ホームよりも比較的安く設定されています。また、公的施設では減免制度を利用して費用を節約できる場合もあります。
ただし、公的施設は人気が高く入居までに数年かかる場合もありますので、申し込みをしてもすぐに入居の順番が来るとは限りません。そのため、一旦は介護付き有料老人ホームに入居し、公的施設の入居の順番がきたら転居するという方法もあります。
4.控除や公的制度を活用する
入居費用の節約につながる控除は主に以下の3つです。控除を受けられるのは一定の要件に当てはまる場合に限られます。
- ・医療費控除
- ・扶養控除
- ・障害者控除
また、入居費用の負担軽減につながる公的制度は主に以下の2つです。
- ・高額介護サービス費
- ・高額医療合算介護サービス費
医療保険や介護保険のサービスを利用した際の支払額が、一定の上限を超えた場合に超過分が払い戻される制度で、上限額は所得に応じて設定されています。該当者はお住まいの自治体で手続きをする必要があります。
費用やその捻出方法についてさらに詳しく知りたい方は、下記の関連記事をご覧ください。
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ほかの有料老人ホームとの違い
有料老人ホームには、介護付き有料老人ホームのほかに「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の2つがあります。ここでは、これらの違いを解説します。
住宅型有料老人ホームとの違い
介護付き有料老人ホームとの違いは、介護サービスの有無です。
住宅型ホームでは、施設スタッフによる介護サービスの提供は行われていません。
介護が必要となったときには、自宅と同様に地域にある介護事業所と契約をして利用します。たとえば、排せつ介助を受けたい方に対しては、地域の訪問介護事業所の訪問ヘルパーが施設を訪れ、排せつ介助のサービスを提供します。
さらに、介護保険サービスの自己負担分についても違いがあり、介護付き有料老人ホームは介護度による定額制ですが、住宅型有料老人ホームでは介護サービスを利用した分だけ支払う形式になります。
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健康型有料老人ホームとの違い
介護付き有料老人ホームとの違いは入居対象者です。健康型有料老人ホームに入居できる対象は、介護の必要がなく自立した生活が送れる方のみです。
そのため介護度が高くなり、日常的な介護が必要となった場合は退去を求められ、ほかの介護施設へ移らなければなりません。
対して介護付き有料老人ホームは、自立〜要介護5の方まで幅広く入居対象としているため、介護が必要となっても退去せずに施設での生活を続けられるケースが一般的です。
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介護付き有料老人ホームの支払い方法
前述した通り、介護付き有料老人ホームでは、初期費用として入居一時金が必要となるケースが多く、その支払い方法は施設ごとに異なっています。ここでは、入居一時金の3つの支払い方法をご紹介します。
前払いなしの月払いのみ
入居一時金がほとんどかからない、もしくは0円に設定している施設がこのタイプです。
入居時にまとまったお金の準備をする必要がなく、初期費用を抑えられるメリットがあります。
ただし、毎月の支払いで家賃や管理費を支払うため、月々の支払い額は多くなります。
居住年数が長くなるほど入居費用の総額が高くなるため、長期的な利用を考えていない方におすすめの支払い方法です。ほかの施設に移る予定のある方や、短期間だけ利用したい方に向いていると言えるでしょう。
全額前払い
全額前払いとは、毎月の家賃や管理費などの費用を入居時に一括で前払いする支払い方法です。
最初にまとまったお金が必要ですが、入居後に支払う月々の費用負担は少なくなるため、長期間入居するほど負担が少なくて済むメリットがあります。
そのため、一度入居したら長く住み続ける予定の方や、入居時にまとまったお金を支払える資金に余裕のある方に向いています。
一部前払い
一部前払いは、前述した「前払いなしの月払いのみ」と「全額前払い」を折衷した支払い方法です。
具体的には、入居一時金は全額ではなく一部を支払い、残りを月額費用に上乗せして支払います。
入居一時金で家賃や管理費の一部を支払っているため、毎月の支払いが少し安くなる点がメリットです。
ほどほどの費用で、毎月の支払いを考えると入居一時金を少しでも払っておきたい方は、このタイプがよいでしょう。
介護付き有料老人ホームがおすすめ・向いている人
次に、介護付き有料老人ホームがおすすめの方、あるいはご入居に向いている方をご紹介します。
要介護度が高い人
介護付き有料老人ホームは、要介護3以上の要介護度が比較的高い方でも入居可能な施設です。
住宅型と健康型の有料老人ホームでは、基本的に自立または軽度の要介護者が入居対象ですが、介護付き有料老人ホームでは要介護度が高い方の入居も受け入れています。
職員の配置や施設設備も充実しているため、24時間体制で介護が必要な方にとって安心して過ごせる施設と言えます。そのため要介護度が高い方は介護付き有料老人ホームがおすすめです。
健康管理や医療管理が必要な人
介護付き有料老人ホームには看護師の配置が義務付けられているため、日々の健康管理や一定の水準の医療行為が受けられます。多くの施設で提携医療機関と連携した医療体制を敷いており、持病があるなど体調に不安のある方でも安心です。
また、最近では喀痰吸引や経管栄養といった、医療管理が必要な方を受け入れている施設も増えてきています。
わかりやすい費用形態を好む人
介護付き有料老人ホームにおける介護保険サービスの自己負担分は、要介護度に応じた月額定額制の場合が多く、わかりやすい費用形態になっています。
月によって介護サービスの利用回数の増減があったとしても、支払う料金は毎月同額です。たとえば、体調悪化によって普段よりおむつ交換の回数が増えた場合でも,
追加料金はかかりません。
毎月の費用が明確であるため、支払いをするご家族や周囲の方にとっても安心できる費用形態と言えます。
介護付き有料老人ホームを選ぶ方法・流れ
次に、数ある介護付き有料老人ホームの中から、ご自身に合った施設を選ぶ方法と入居までの流れをご紹介します。
サービスや費用などの情報収集
希望に沿った施設を見つけるためには、情報収集が大切です。
親が住む地域の施設を検討するなら、まずはその地域の地域包括支援センターに問い合わせることをおすすめします。問い合わせ先がわからなければ、役所に聞くと管轄のセンターを教えてくれます。
次に、インターネットによる検索も活用しましょう。老人ホームを紹介するサイトにアクセスし、エリアや費用などの希望条件を入力すると、条件に合う施設と詳しい施設情報を確認できます。当『さがしっくす』でも、さまざまなニーズに対応した全国の老人ホームをご紹介しています。
そのほか、実際に入居している方やそのご家族の話も信頼できる情報だと言えるでしょう。
条件が適しているか確認
気になる施設が見つかったら、ご本人の状況が入居条件を満たしているか確認しましょう。前述した通り、入居できる年齢や要介護度は施設ごとに異なっています。
ただし、施設によっては、年齢や要介護度を満たしていても、認知症の方や特定の医療ケアが必要な方については相談を必要とする場合もあるため注意しましょう。
見学や体験入居をしてみる
複数の介護付き有料老人ホームのなかからご自分に合った入居先を見分けるには、見学や体験入居が欠かせません。
どんな人たちが暮らしているのか、部屋の広さはどのくらいなのかなど実際に自分たちの目で確認しましょう。
基本的に介護付き有料老人ホームの見学には予約が必要です。予約なしで訪問すると、見学担当の職員が不在で見学できない場合や、感染症対策などを理由に見学が中止されている場合もあります。
体験入居は、ある程度の期間を入居予定先で過ごし、介護サービスや食事、リハビリテーションなど一通りのサービスを体験できるもので、入居の可否かを見定めるための貴重な機会です。
見学でわかるのは日中の様子に限られるため、体験入居をしてみなければ夜間や早朝の様子はわかりません。夜間に大声を出す方がいないか、周囲の騒音で眠りを妨げられないかといった点や、夜間・早朝の時間帯の職員数などは、体験入居の際に確認しましょう。
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入居契約をする
見学・体験入居を経て入居の意思が固まったら、次は入居契約に進みます。
契約は入居先に出向いて行うのが一般的です。入居先の相談員から重要事項説明書と契約書の説明が行われるため、一つ一つ確認していきましょう。とくに支払い方法など金銭面に関する内容は入居後のトラブルにつながるケースが多いため、疑問点は早めに確認し、内容に納得したうえでサインと押印を行います。
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失敗しないために!介護付き有料老人ホームを選ぶ際のポイント・注意点
入居後に後悔しないように、介護付き有料老人ホーム選びに失敗しないためのポイントと注意点をご紹介します。
入居条件に適しているか
たとえば、入居後もご家族が頻繁に面会に訪れたい場合は、交通の便がいい場所を選びましょう。入居一時金や月額費用が、親の預金や年金、あるいは家族の援助によって支払い続けられる金額かどうかも大切なポイントです。
さらに、入居する本人が快適な生活を送るために、居住スペースの広さや食事がおいしいか、必要な生活支援や介護サービスが受けられるかなど、確認と見極めが必要です。
医療体制や介護体制は適切か
介護付き有料老人ホームは都道府県の指定を受けた施設であり、入居定員に対する職員の配置数が定められています。とくに介護・看護職員の配置基準(最低基準)は、入居者3名に対して1名以上と定められており、この基準が守られていないところは、良質なサービスを提供できる施設とは言えません。
また、日中だけでなく夜間帯でも病気や突然のケガの場合に速やかに対応してもらえるかなど、施設の医療体制も確認するポイントです。
スタッフや利用者の雰囲気はよいか
スタッフや利用者の雰囲気も施設を選ぶ際のポイントになります。
たとえば職員と他のご入居者とのコミュニケーションの取り方はどうか、気持ちのこもったサービスを提供しているかどうかは大切な目安になります。
明るく言葉使いが丁寧で挨拶ができる職員や、ご入居者に呼び止められても足を止めて話を聞いている職員がいると、職員とご入居者の関係性がよい場合が多いです。
介護サービスの利用頻度は高いか
介護サービスの利用頻度が高い方は、介護付き有料老人ホームを選ぶとよいでしょう。
一般的に要介護度が上がるにつれ、介護サービスを利用する回数や種類は増えていく傾向にあります。また在宅で介護する場合には、基本的に利用した分だけ介護保険サービスの自己負担額も大きくなります。しかし、介護付き有料老人ホームではどれだけ介護サービスを利用しても自己負担分は定額料金なので、介護度が上がっても費用面で安心できます。
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デイサービスや訪問リハビリを利用する予定はあるか
介護付き有料老人ホームには、施設の職員が介護サービスを提供する「一般型」のほか、「外部サービス利用型」があります。
外部サービス利用型では、ケアプランは介護付き有料老人ホームのケアマネジャーが作成し、介護サービスは、施設が委託した外部の介護サービス事業所が提供します。
介護付き有料老人ホームに入居したあとも、自宅で利用していたデイサービスに続けて通いたい方や、訪問リハビリなどの在宅サービスを利用したい場合は、外部サービス利用型を選ぶとよいでしょう。
本人や家族の希望に合わせた介護付き有料老人ホーム選びをしよう
介護付き有料老人ホームは、都道府県の指定を受けた民間の老人ホームです。
介護度の高い人でも入居可能な施設であり、24時間体制で入浴介助や排せつ介助などの介護サービスが受けられます。また看護師が配置されているため、医療行為が必要な方の入居も可能で、緊急時には提携先の医療機関と連携して速やかに対応してもらえます。
民間施設のため、施設ごとに特徴が大きく異なり、初期費用や月額費用もさまざまです。介護付き有料老人ホームを選ぶ際には、「費用は予算内で支払えるか」「希望のサービスが受けられるか」などを事前によく確認し、入居する本人やご家族の希望に合っているかを見極めましょう。