有料老人ホームに関する専門用語を
まとめました。
「か行」の用語
か
介護一時金
有料老人ホームなどに入居する際に、一括して支払う介護保険対象外の介護サービス費用のことです。ホームによっては一時金方式ではなく、都度払いや月払い方式もあります。
介護給付
市区町村から要介護認定を受けた人に支給される、介護保険サービス費用のことです。1~5の要介護度に応じて、サービス費用の限度額内での利用者の自己負担額が一定の割合で定められています。
介護居室
有料老人ホームなどで、介護サービスを提供する専用居室のことです。介護居室の数は、入居者の状況などに応じて適切に設置するようにガイドライン(国の指針)で示されています。ホームによっては、介護サービスを一般居室で提供する場合もあります。
介護サービス
身体機能の低下や認知症などで日常生活に支障をきたした場合、日常生活上の不都合を解消、緩和するために介護を受けることができるサービスのことです。介護保険法上は、訪問介護、通所介護などの居宅サービスや介護保険施設に入所して受ける施設サービスなど、保険給付の対象になるサービスのことをいいます。
介護サービス苦情処理委員会
介護保険サービスの利用者から苦情があった場合に、対応する組織のことです。窓口は全国都道府県にある国民健康保険団体連合会です。介護保険サービス事業者への苦情があった場合、事業者の調査・指導を行い、特に悪質なケースに対しては、介護保険指定事業者の指定を取り消す権限を持っています。
介護サービス事業者
都道府県から指定を受けて、介護保険サービスを提供する事業者のことです。都道府県からの指定は、運営や人員、設備面などの基準をクリアしなければ、受けることができません。介護者家族の会社会福祉協議会などのバックアップにより、自宅で介護をしている方々が集う会です。介護に関する悩みや情報を共有することで、介護の知識の向上や適切な介護方法の伝達などを目指します。
介護者家族の会
社会福祉協議会などのバックアップにより、自宅で介護をしている方々が集う会です。介護に関する悩みや情報を共有することで、介護の知識の向上や適切な介護方法の伝達などを目指します。
介護職員
介護付き有料老人ホームなどで、入居者に介護サービスを提供する職員のことです。健康を維持するための助言なども行います。職務形態は常勤、非常勤など、ホームによってさまざまです。訪問介護の場合と異なり、特に資格についての規定はありません。
介護倒れ
特に高齢者や女性などが在宅介護を行う場合、介護が重労働であることから、過労や心労などで体調不良になることです。
介護疲れ
在宅などで介護者が毎日の介護に負担を感じ、疲弊することです。介護疲れが蓄積すると、介護倒れになる可能性があります。介護疲れにならないためには、ショートステイやデイサービスなどを利用して、負担を軽減すると良いでしょう。
介護付き有料老人ホーム
有料老人ホームのなかで、「特定施設入居者生活介護」の事業者認定を受けた施設のことです。介護付き有料老人ホームで受ける介護サービスは、介護保険の居宅サービスに位置付けられています。入居時は自立していて、入居後に要介護になった場合、ホームの職員が介護サービスを提供するホームと、ホームの職員が安否確認や計画作成等を実施し、介護サービスは委託先の事業者が提供するホームがあります。
介護認定審査会
各市区町村長によって任命された、保健、医療、福祉等の5名程度の専門家で構成された、要介護認定の二次判定を行う審査会のことです。審査会は、コンピューターによる一次判定、訪問調査員の特記事項、主治医の意見書に基づいて要介護認定を行います。
介護福祉士
国家によって認定された資格を有し、要介護者の生活援助などを行う専門家のことです。具体的な生活援助として、食事、入浴、着替えなどの行為サポート、掃除や洗濯などの家事サポート、外出や送迎、通院の付き添い、緊急時の対応などのサポート、また要介護者の家族への助言など、幅広く生活全般を支援します。
介護扶助
生活保護を受けていて、介護保険サービス費用の自己負担額を支払うことができない場合は、生活保護制度の介護扶助を利用して介護サービスを受けることができます。介護保険の被保険者資格がない場合でも、介護扶助で介護保険サービスを受けることは可能です。介護扶助は原則として金銭給付ではなく介護サービスの提供になりますが、例外的に金銭給付の場合もあります。
介護報酬
介護保険の対象となるすべての介護サービスに、それぞれ設定されている単位のことです。この単位によって、医療保険診療の診療報酬が異なります。
介護保険給付(保険給付)
介護保険から、介護サービス費用の利用者自己負担額を除いた金額を事業者に支払うことです。介護保険給付には「介護給付」「予防給付」「市区町村特別給付」の3種類があり、要介護度やサービスの内容に応じて分けられます。「介護給付」は、要介護状態(要介護度1~5)の人が介護サービスを利用した場合の介護保険給付です。介護給付によって、すべての在宅サービスと施設サービスを受けることができます。「予防給付」は、要支援状態(要支援1、2)の人に対する介護保険給付です。「市区町村特別給付」は、市区町村が要介護者や要支援者に対して行う介護保険給付です。限度額など、市区町村によってさまざまです。
介護保険施設
介護保険法で「施設サービス」に位置づけられている施設です。介護保険施設には、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の3種類の施設があり、所定の条件を満たした人のみ入所することができます。
介護保険審査会
被保険者証の交付や保険給付の上限、徴収される保険料の金額などについて、被保険者から不服申し立てのあった要介護認定の結果について調査します。都道府県ごとに設けられている機関で、メンバーは都道府県知事に任命された、市区町村から代表者3名、被保険者(介護サービス利用者)から代表者3名、介護保険と直接利害関係のない市民から代表者3名以上の計9名以上で構成されています。審査会は厳正な審査を行い、本人に結果を通知します。
介護保険法
寝たきりや認知症などで要支援・要介護状態と認定された被保険者に対して、在宅介護サービスまたは施設介護サービスを提供するための社会保険制度です。平成9年12月17日に交付され、平成12年4月1日から施行されました。介護保険法施行以前は「措置制度」で、市区町村がサービス内容などを決めていましたが、介護保険制度では介護を受ける人がサービス事業者を選ぶことができます。
介護マンション
ケア付マンションやケア付高齢者住宅と呼ばれることもある、軽度の要介護者のためのバリアフリーマンションです。ヘルパーステーションが併設されている場合もあります。要介護度が高くなると、退去しなければならないこともあります。
介護療養型医療施設
介護療養型医療施設は、療養型病床と老人性認知症疾患療養病棟の総称。長期にわたって療養が必要な場合に利用できる施設サービスのひとつで、介護サービスを受けることもできる医療機関です。施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理のもとで、医療や介護、機能訓練、その他のサービス等を提供します。
介護老人福祉施設
介護保険法で規定された介護保険施設のひとつで、特別養護老人ホームのことです。所定の条件を満たした人のみ入所することができます。低額な月額費用のため入居希望者が多く、入居するまでに2~3年かかるのが普通です。以前は相部屋が一般的でしたが、現在は個室もあります。施設サービス計画に基づいて、入浴や排泄、食事などの日常生活の支援や、機能訓練、健康管理などを提供します。
介護老人保健施設(老健)
介護保険法で規定された介護保険施設のひとつで、退院後、在宅復帰の準備期間を提供する病院と自宅の中間的な施設です。「老健」と通称で呼ばれることもあります。施設サービス計画に基づき、集中的にリハビリテーションを受けられますが、入所期間が限られています。在宅復帰が可能かどうかについては、定期的に開かれる入退所判定会で審査されます。
介助
介護が必要な方の日常生活をサポートするサービスのこと。日常生活の全体的なサポートが介護であるのに対し、利用者の自立を目指して、ひとつひとつの生活行為をサポートするのが介助です。
看護師
医師の指示で診療・治療の補助や、長期の療養生活を送る患者に対して日常生活をサポートする国家資格保持者です。看護師、認定看護師、専門看護師の3種類があります。都道府県知事免許の准看護師も含んで、看護師と総称される場合もあります。
管理費
有料老人ホームなどの月額利用料の細目で、各ホームによって金額や内容が異なります。水道光熱費、施設維持費、ホーム職員の人件費、ホームの運営費などが一般的な内訳です。
き
基準該当サービス事業者
介護保険サービス事業者の指定を受けるためには、法人格取得、人員、設備、運営などに関して基準が設けられています。これらの基準のすべてを満たしていないものの、市区町村の判断で「一定の水準を満たすサービス」を提供していると認定された事業者が基準該当サービス事業者です。この事業者が提供する、訪問介護、訪問入浴介護、通所介護、福祉用具貸与、居宅介護支援などの介護サービスには、特例居宅介護サービス費として介護保険が適用されます。支払いに関しても正規の介護サービスとは異なり、事業者にサービスの費用を全額支払った後、市区町村に領収書を送付し、9割が返還されることになります。
機能回復訓練
減退した身体機能を回復するためのリハビリテーションのことです。訪問リハビリテーションや通所リハビリテーション(デイケア)など、理学療法士や作業療法士のもとでADL(日常生活動作)訓練が行われます。
機能訓練室
有料老人ホームなどの共用スペースのひとつで、要支援・要介護者が自立的な生活を目的として、身体的・精神的な機能訓練を行うための専用室です。
行政型福祉オンブズマン
福祉サービスが適正に行われているかどうかを監視する、行政(地方自治体)の福祉オンブズマンです。市民から福祉サービスに関する苦情を受け付け、問題解決に取り組みます。
教養娯楽室
有料老人ホームなどの共用スペースのひとつで、入居者が趣味(囲碁、将棋、読書、ゲームなど)やレクリエーションなどを楽しむために設けられている専用室です。豊かで活動的な暮らしをするための、スペースといえます。
協力医療機関
有料老人ホームなどと提携している医療機関のことです。協力病院という場合もあります。有料老人ホームは、提携している医療機関名とその受診科目、具体的な協力内容の公開が義務づけられています。また、入居者が医療サービスを受けたときに支払わなければならない一部負担金(医療保険制度に基づく自己負担)とは別に費用を請求されることがあるならば、「重要事項説明書」などに明記しなければなりません。
居宅介護サービス
在宅で受けることのできる、介護保険で給付対象の介護サービス。居宅介護サービスには、居宅介護支援、訪問介護(ホームヘルプサービス)、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導、通所介護(デイサービス)、通所リハビリテーション(デイケア)、短期入所生活介護(ショートステイ)、短期入所療養介護(ショートステイ)、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与、福祉用具購入、住宅改修費等のサービスがあります。これらのサービスは、介護担当者が自宅を訪問するタイプ、受ける人が施設を日帰りで利用するタイプ、施設に短期間入所するタイプに分けることができます。
居宅介護支援
自立して日常生活を送ることが困難な状態になった人に応じて、要介護認定(要支援の認定を含む)の申請の代行や、認定後、居宅で介護サービスを受ける要介護者や要支援者の心身の状況や生活環境、本人や家族の希望などに応じた居宅サービス計画(ケアプラン)の作成、要介護者や要支援者に適切な居宅サービスが提供されるよう、居宅サービス事業者など介護サービスを提供する事業者との連絡・調整を行うなど、在宅での介護を支援する介護サービスのひとつです。
居宅療養管理指導
通院が困難な高齢者が自宅で主治医などに医学的視点から日常の健康管理や指導を受けることができる在宅サービスのひとつです。
く
グランドホーム
社団法人全国有料老人ホーム協会設立20周年を記念して、全国からの公募で決定した有料老人ホームの愛称です。
グループホーム
認知症高齢者が介護や支援などを受けながら、少人数で共同生活を送ることができる認知症対応型の施設のことです。入居一時金と月額利用料は必要ですが、要介護認定を受けていて、少人数で共同生活をすることに支障がない認知症高齢者であれば、入居することができます。入居後は、介護職員や他の入居者と家事などを協力しながら、5~9人で共同生活します。
け
ケア付高齢者住宅
ケア付マンションや介護マンションと呼ばれることもある、軽度の要介護者のためのバリアフリー住宅です。ヘルパーステーションが併設されている場合もあります。基本的には一般の住宅と同じですが、要介護度が高くなると、退去しなければならないこともあります。
ケアハウス
老人福祉法で定められた軽費老人ホームの一種で、建物の構造や設備に配慮された住まいです。本人が60歳以上か、または配偶者のどちらかが60歳以上で、身体機能が低下した方、または独立して生活するのに不安を覚える方が入居対象です。食事や入浴、緊急対応などのサービスが受けられ、利用料は所得に応じて決定されます。一般的には、月額7~14万円(生活費・管理費など)程度です。
ケアプラン(介護サービス計画)
個々の身体状況などに応じて作成された、介護保険サービスを利用するための計画のことです。ケアプランには、居宅サービス計画と施設サービス計画があります。本人または家族が作成することも可能ですが、適切な介護サービスの受給を考えて、基本的には居宅介護支援事業者に依頼して介護支援専門員(ケアマネジャー)に作成してもらいます。ケアマネジャーが作成する場合、プラン作成費用は保険で全額給付されます。また作成されたプラン内容については、本人または家族の同意が必要になります。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
ケアプランの作成など、介護保険制度において介護支援サービス機能の中心的役割を担う専門員のことです。介護サービス利用者の心身状況を把握した上で、必要な介護サービスを検討・判断し、ケアプランを作成します。その他、要介護認定の申請の援助や、介護サービスがケアプランに沿って行われているかをチェックするなど、介護サービスに関わる全般的な業務にたずさわります。
軽費老人ホーム
老人福祉法に基づいた老人福祉施設のひとつです。60歳以上の人で、経済的な事情や身体的事情により一人で自立した生活をするのが困難な場合に入居することができます。食事サービスつき「A型」と、食事は自炊になる「B型」があり、要介護状態になった場合は、別の介護施設に住み替える必要があります。
健康型有料老人ホーム
自立した人が入居できる、食事サービスや生活支援サービスを提供する有料老人ホームです。介護付きや住宅型と異なり介護サービスが受けられないため、介護が必要になった場合には他の介護施設へ転居しなければなりません。
こ
高額介護サービス費
介護保険でサービスを利用した際に自己負担する費用が、一定の額を超えた場合に支給される介護給付のことです。利用者の負担を軽減する救済措置で、一般世帯に給付される額は1ヶ月で37,200円です。世帯全員が住民税の非課税対象者であれば月24,600円、生活保護や老齢福祉年金を受けている世帯ならば月15,000円が、それぞれ給付されます。世帯毎への給付なので、介護保険サービス利用者が一世帯に複数人いる場合でも、給付金額は変わりません。
高齢者円滑入居賃貸住宅
「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に定められた、高齢者でも入居することができる賃貸住宅です。主に民間企業が運営しており、都道府県知事または都道府県の指定登録機関に登録しなければなりません。
高齢者向け優良賃貸住宅
24時間緊急対応の通報装置が設置されるなど、高齢者が安心して居住できるバリアフリー型賃貸住宅(マンション)です。高齢者向け優良賃貸住宅は「高齢者の居住の安定確保に関する法律」で基準が定められており、家賃は10万円程度が普通です。
高齢者総合相談センター
別名「シルバー110番」とも呼ばれるもので、高齢者やその家族が抱える心配事や悩み事などの相談に応じてくれます。各都道府県に1箇所設置されています。
個別的な介護サービス
介護保険給付サービスの適応範囲以外で、有料老人ホームなどが入居者の個別のニーズに合わせて実施している介護サービスのことです。買い物、役所手続きの代行や協力医療機関以外の病院への付き添いなど、利用者の要望に合わせたもので、別途費用が徴収されることになります。